2024年5月19日日曜日

塩抜きのこと

   一昨日は「食の保守性」を書いたが、もう少しだけ食に関わる話題を書く。 
 その1は若ごぼう(葉ごぼう)のことだが、妻が「You Tubeで葉ごぼうの料理を紹介している」と教えてくれたものだが、高知の主婦のそれは、わざわざ「若ごぼう」ではなく「葉ごぼう」と称しているのに葉っぱは全て廃棄して、茎と根っこだけの料理だった。出来栄えが美しいというのは認める。

 何が正しいとか間違いとかいうものではないが、わが家では葉っぱも一緒に料理する。
 よく似た食材でいうと、「山ふき」も葉っぱを捨てずに調理する。いずれも葉っぱがもったいないというよりも、葉っぱも美味しいからそうしている。
 スーパーでは「山ふき」など、最初から葉っぱをとってきれいに茎だけを束ねて売っていたりするから、そこからスタートした人なら「食べるのは茎」が大前提になるのかもしれないが、「葉っぱも美味しいのに」と思ってしまう。

 その2は塩サケのことである。
 元々日本列島の東や北と西日本とでは魚の好みに大きな違いがあるが、こんなに流通の状態が変わっても「変わらないなあ」と思うことのひとつが鮭(サケ)、大阪でいえば「シャケ」である。
 何を今さらと思われるかもしれないが、先日古代史の小笠原好彦先生の講座に参加していた折、話が少し脱線して、青森出身の先生はほゞ毎日塩サケを欠かさないとおっしゃったのには驚いた。
 さらに先生は、「関西では塩サケの塩抜きをしない人がいる」というのでさらに驚いた。
 つまりわが家では、塩サケはどうしようもない折の弁当のおかずにたまに買うだけだし、甘塩ぐらいにしていることもあり、わざわざサケを「塩抜き」をして料理をするという発想がなかったからである。

 昔の思い出になると、私の母などはニシンを人間の食材とは認めていなかった。
 そんなもので東京で、生のニシンの塩焼きを食べたときは不思議な気がした。希少な特産品ならそんなこともあるかもしれないが、日本列島の西と東では「他国」ほどの文化の違いがあるのを知った。

 で、この歳で初めて、塩サケを「あんな塩辛い物を食べて喜ぶ気が知れん」というのが大きな誤解であったことを知って反省しているところである。

1 件のコメント:

  1.  このブログ記事原稿を書いてからイオンに行ったが、塩サケは全て甘塩で、「ほんとうの」塩サケは売っていなかった。

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