2020年9月15日火曜日

番(バン)

  ヤマト王権の王墓と想定される巨大前方後円墳は3世紀中葉、奈良盆地東南部に出現したが、4世紀中葉には奈良盆地北部の「佐紀古墳群」に移動した。わが家からこの佐紀古墳群はそう遠くないので、おかげで古墳の濠の水鳥をバードウォッチングすることができている。

   その水鳥の中に額が赤い一種変わった顔立ちのバンもいる。水鳥と言ったが水掻きはなくクイナのように水辺をうろちょろしている。

 ガイドブックには「警戒心が強く身を隠すので観察するのが難しい」ともあるが、団地横の池にいたこともあるし、私の印象では普通の水鳥程度の警戒心に思う。もちろん、古墳に住み着いたハクチョウみたいには餌を求めて寄ってきたりはしない。

 ものの本によると水田に多くいてキョンキョンと鳴くので『田の番』をしてくれているようだというので番(バン)という名がついたらしい。ただし、私は水田でこの鳥を見つけたことはない。昨今の水田がいやに人工的で生物の多様性から遠ざかっているからだろうか。

 なお、額が赤くなく白い額のオオバンという水鳥もいる。

 バンの絵を描いた安物の掛け軸を見つけた。田ではないがわが家の番をしてもらおう。

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