2020年3月1日日曜日

修二会のカンテキ

   お水取りの本行が始まった。
   奥深い二月堂修二会(しゅにえ)の諸々について私如きが知らないことがいくらあっても何ら不思議ではないが、その道具の中に「カンテキ」を見つけたときには少し驚いた。
 使用方法の詳細については私は今も十分はわかっていない。

 解説文によれば、このカンテキで鉄粉を真っ赤に燃やし、和上(火天)はその灼熱の鉄粉を堂内の空中に火の粉のように撒くのだという。

 周りが国宝だらけの場所で、屋根のある登り廊下から舞台の上を大松明が火の粉を撒き散らす写真はご存知のとおり。すべて木造建築物。
 それだけでなく、広くない堂内でも松明が振り回され、叩きつけられ、こんなことが消防法や文化財保護法上許されるのだろうかと疑問というか、毎年そんな心配をしている。その上にこの灼熱の鉄粉撒き。

 「火起こし」というと炭を入れてガスコンロの上に乗せる道具があり現在私も持っている。形は私の小さい頃からあったものと変わっていない。
 写真のカンテキの上の部分はそういう「火起こし」とよく似ている。そして下の胴の部分に薪を入れて燃やすのだろう。
 しかし、こんな道具は見たことないし、壊れたら特注するのだろうか。
 「カンテキ」と表示されて展示されているのも何か楽しい。
 お水取りは奥が深く容易に近づけない。

   水取の達陀の行のカンテキや

 3月に入れば奈良国立博物館の「修二会展」に行こうと準備していたが、新型コロナのおかげで閉館?になってしまった。
 帝塚山大学のシルクロード学術報告会も中止になった。
 首相は、国民には外出を控えろ、イベントを中止せよと言いながら、自分は仲間内の飲食を重ねている。
 右翼ヘイトヤジで有名な議員も集金パーティーを開いている。
 素直な気持ちで古都の修二会を愛する皆さんは、こういう不道徳を諫めてこその宗教心だと私は思うのですが。

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