2020年3月9日月曜日

問われる大人の態度

   サンデーモーニングの受け売りだが、社会心理学者加藤諦三氏によると、現代社会は人類の「幼児化」がキーワードらしい。
 幼児化とは、心理的に退行することで、それは意識の下に広がる無意識にある心理的な動きで、本人は、自分が退行していることに気づいていないものだ。
 具体的には次のようなことになる。
 例えば、アメリカファーストは、「わがまま」という幼児化であり、移民・難民の排斥は、「異なる者への恐怖」から、相互理解の努力をせず、ただ、怖いから排除しようという幼児化の動きだ。
 また、EC離脱は、「理想放棄」であり、難しい理想の実現を諦め、困難を乗り越えようとしない幼児化だ。
 軍拡競争は、相手より「優位」な立場になることで安全であろうとする幼児化の動きで、本来であれば、何度も対話を重ねて、相互理解を深め平和的な解決へとつなげるべきなのに、軍拡という、安易な方法で、安全を得ようとしている。
 フェイクニュース・暴言は、過激なことを言うことで「反応がほしい」という承認欲求で、相手から注目されることで、自分の存在を確認したいという幼児化だ。
 幼児化は、相互理解、寛容、といった、行うことが難しいことを避けることで、自分を成長させないもの、自ら成熟を拒否してしまうものだ。
 では、なぜ、この時代に、幼児化が広まったのか?
 それは、不安。
 自分の存在を確かめられない不安が、幼児化を作り出したのでは?
 ・・・・以上が加藤氏主張の骨子のようである。

 私は昨今のマスクや果てはトイレットペーパー・ティッシュペーパーの買い占め騒動を見ていて、上述の「幼児化」を垣間見た思いがした。

 さて、典型としてマスクを考えると、医療関係者のマスクも圧倒的には中国製らしいから、この国は、圧倒的なエネルギー、食糧、医療材料まで他国に依存した脆弱極まりない国であることが露呈した。
 だとしたら、フェイクスピーチの皆さんのように他国を侮蔑したり攻撃するのでなく、友好的な外交の積み重ねこそが国の安全を守る最高の方法ではないだろうか、と考えるのが、幼児よりも成長した大人の判断だと私は思う。

 トランプにさえ抱きついておれば安全だと主張されてきた人は、この日本の困難に、トランプのアメリカが如何に冷淡かということを直視して欲しい。

 同時に、ドイツでは即マスクの輸出を禁じたように、ある意味現実的な世界があることを直視すれば、安い人件費と儲けのためにと何もかも海外に依存するのでなく、一定の手当てをしてでも国内でつくる自然エネルギー、食糧、第二次産業を保護し、国の体力を維持すべきであろう。
 それが大人の判断と責任だと私は思うのだが。

   今回は私じゃないよと渡り鳥

  閑話休題  8日(日)午後に雨も止んだので散歩に出た。道路はまだ濡れていて花粉症は心配ない。散歩というと花や鳥を見ながら歩くのを常としているが、今回は人を見て歩くことにした。ショッピングセンターに行く人や帰ってきた人の多い私の散歩道だが、散歩の片道午後3時半から4時まで30分間にウォッチした結果は、すれ違った大人343人で、マスクをしていた人が209人で61%、マスクをしていなかった人が134人39%だった。統計としては母数も少ないし、いろんな条件(田舎のニュータウン)を勘案しなければならないが、結論的には微妙な数字のように感じた。いや、あれだけ総理大臣が大演説をぶったにもかかわらず、約40%の大人は冷静に対処し、むやみやたらにマスクをしたりしていないとみてもいいのではないだろうか。瞬間風速のような数字であるから絶対視しないでくださいね。

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