2020年3月7日土曜日

一斉休校は歴史に残る愚策

   頭を冷やせば、安倍首相の全国一律の休校など世紀の愚策だと、元文部官僚の寺脇氏が痛烈に批判している。

 氏の主張の結論を先に言えば、「子供たちにとって学校ほど安全な場所はない」ということに尽きる。
 学校には保健室という“準医療施設”があり、養護教諭もいる。さらに学校医もいる。給食で栄養管理され、担任教諭が子供の状態を確認する習慣がある。被虐待児にとっては一時的な避難所としても機能しているといい、「こんなにも安全な場所から子供を引っ張り出してどうするんだ」という趣旨である。いじめに遭っている子はどうなんだ、などの指摘はあるかもしれないが、それは少し別のこととして。

 私の住んでいる街の隣の奈良市のニュータウンでは、いま小学校の統廃合が問題になっている。
 とすると、大都市中心部の一部の学校を除き、現在の学校は少子化の結果、全国的に教室に余裕があるのが普通でないだろうか。もっと言えば、全国には、1学年に数人どころか、先生ひとり、生徒ひとりという所もある。何が濃厚接触だ。
 悲しいかな、国のトップがそんなバカなことを言い出したら、周りが止めないといけないのに地方の首長も教育長も全部ぶっ飛ばしてる。これを独裁って言うのだと寺脇氏は言う。

 濃厚接触という物差しを当てれば、少なくとも学校は学童保育よりは遥かに安全な場所。そもそも、学童のキャパシティはそんなに多くない。厚労省が『学童では1m以上間隔を空けて活動を』と通知を出していたが普通の学童ではおそらく無理。さらに休校になると利用が増えるので学校の教室を借りますは、もはやブラックユーモアの世界。

 「もっと言うと、残念ながら全ての子供にちゃんとした親がいるわけではないし、みんなが家でおとなしくできるわけでもない。肉親から虐待を受けていて、学校にいる間だけ逃げられている子供はどうするの?ひとり親家庭の子は?給食でしか栄養補給できないような貧困家庭の子は?…今や学校は、ある種の子供たちにとってシェルターの役割もある。そういう実態を全然わかっていない人が考えた対応だ」と寺脇氏は言う。

 結論を言えば、初期対応の無能・無策ぶりにあきれ果てたアベ親衛隊の支持を取り戻すための「やってる感」のパフォーマンス以外の何ものでもない。

 医学はある種の自然科学である。ならば・・・
 原因や現状の正直な分析なしに思い付きのパフォーマンスで正しく解決はできない。
 最初は「軽症者は医者に行くな」と言い、しまったと思えば「全国一律休校だ」と言う。これをおかしいと感じないならそれがおかしい。
 ほんとうにこの国を守るためには、安倍内閣は退陣させなくてなならない。
 「この緊急時に与党も野党もない」は嘘である。この国を危機に曝しているのは安倍内閣である。
 変な感情(イメージ)に流されず、問題の本質をきっぱり批判して欲しい。野党の皆さん、お願いします。特措法は不要だ。

   マスク取りしばし酔いたし沈丁花

1 件のコメント:

  1.  JNN(TBS)の世論調査によると、*一斉休校を要請した措置について? 非常に評価する15% ある程度評価する53% あまり評価しない24% 全く評価しない7% 答えない・わからない1% となっています。う~む。

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