この事故について、大飯原発運転差止判決を下した樋口英明元裁判官は次のとおり「二つの奇跡」をしている。
「第一の奇跡」
稼働中だった1,2,3号機はメルトダウンしたが、4号機は定期点検中で合計1331体もの使用済核燃料が水素爆発でむき出しになったプールの水に沈んでいた。
使用済核燃料は4,5日でメルトダウンし、放射性下降物いわゆる死の灰は稼働中のそれよりもずっと多く、もし4号機の核燃料が溶融した場合、当時の近藤駿介原子力委員長のコンピューター解析では、強制移住、任意移住地域は250キロに及び、東京都を含め4千万人を超える避難民が発生するという恐怖の結論だった。
ところがそうはならなかった。その理由は・・、
燃料貯蔵プールの隣に原子炉ウェルという堅穴があり、通常このスペースには水は入っていないが、当時たまたま定期点検中であったため、原子炉ウェルと隣のビットは大量の水で満たされていた。
そして、そうであっても本来水が行き来しない原子炉ウェル側の水が、地震のせいかその他の欠陥のせいか、本来入ってきてはいけない水が貯蔵プールに流れ込んで燃料は冷やされた。普段はないはずの水がそこにあり、入るべきではないのに流れ込んで最悪の事態は免れたのである。
「第二の奇跡」
2号機はメルトダウンし、格納容器が水蒸気でいっぱいになり大爆発寸前だった。圧力を抜くベントという装置も電源喪失で動かせず人も近寄れなかった。
3月15日には圧力が設計基準の二倍を超え、当時の吉田所長は「東日本壊滅が脳裏に浮かんだ」と後に証言した。
ところが不思議なことに、技術者や自然科学者が当然覚悟した大爆発は起こらなかった。水蒸気が抜けたためだ。
多分、格納容器の下の方に弱いところがあったのだろう。要するにあってはならない欠陥機であったために第二の奇跡が起こった。
以上の指摘はなぜか大々的には報じられていない。私の勉強不足でそう思っているだけかもしれないが。
コロナ騒動のニュースで隠されたようなフクシマの教訓をもう一度噛み締めたい。今日は3月11日。
9年前ライブ中継の恐怖あり
9年前ライブ中継の恐怖あり
こんな奇跡に救われて東日本壊滅は辛うじて逃れられた。それにつけても原発事故の5年前に電源喪失の危険性を告発した共産党元吉井議員の質問を無視した安倍の罪は深い。
返信削除安倍晋三の罪は非常に重いものがあります。
返信削除このブログの事実はあまり知られていないのではないでしょうか。私はミニコミ紙にもこの内容を提稿するつもりです。どちらもお読みの方には「またか」と思わないでくださいね。