2020年3月19日木曜日

女帝の国

 大門実紀史(日本共産党)VS麻生太郎財務大臣 「ジェンダー平等と経済、コロナ対策」2020310日参議院財政金融委員会の動画がYouTebeにある。
 その最終コーナーに麻生大臣が立ってジェンダー平等について答えているが、調子に乗って「日本で一番偉い神様は天照大神で女性であった」「しかも機(服)織小屋で機を織っていた働く女性であった」的な神話を引いてダイバーシティーを目指すと答弁した。
 それは、国政審議の場におよそ似つかわしくない例えと、質問時間切れというタイミングであったが、大門実紀史議員はそこでさらに挙手をして次のように発言した。
 「大変参考になりました。ありがとうございました」と。
 その心の余裕とユーモアのセンスに私は喝采した。


 
 神話の世界は別にして古代史を追ってみると、倭国から日本という国家?に脱皮した時代、日本国の誕生(古代国家の完成)というに相応しいのは、天智、天武、持統の時代と言っていいのではないだろうか。
 中でも、真の勝者が持統天皇だと思われる。

 その理由は写真に掲載した数冊の新書などを参考にしてもらうこととして、麻生太郎氏とは引用先は異なるが、この国の建国の先頭に女性天皇がいたということではよく似た感想を持っている。 

 私的には、瀧浪貞子著『持統天皇』(中公新書)が参考になった。ただ以前に、それとは相当(反対なくらい)視点が異なる遠山美都男著『天智と持統』(講談社現代新書)を読んでいたので、頭の中で批判的に思考できてよかった。

 孫の夏ちゃんは藤原京の北辺で誕生した。 
 持統天皇は「春過ぎて夏来るらし白妙の衣乾したり天の香具山」と詠んだのは有名だが、一般に「白袴の衣を干した光景を見て四季の変化を詠んだ」と解釈されているが、そもそも神聖極まりない「天の」香具山に衣が干してあったとは思えないという意見が少なからずあった。天女の羽衣にしても。

   それを瀧浪貞子氏は「禊のための斎衣(浄衣)であり、持統が自らの心情を浄衣に見立てたのだろう」(草壁皇子の喪服から斎衣に替えて再出発を・・)と記述している。卓見と言うべきだろう。
   中継は器の違いも映しおり

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