2019年4月10日水曜日

桜吹雪

   NHKラジオの「こども電話相談室」を聴くともなく聞いていると、「梅の花は長い間咲いているのに桜はどうして直ぐに散ってしまうのですか」というような質問があった。記憶は正確ではない。
 
 そう聴かれて大人はどう答えようか。はてさて難しい。
 先生の答の要旨は、
 ① 梅は桜よりもずーっと寒い時期に咲く。
 ② 寒い時期に咲く木は暖かい時期に咲く木よりも普通は長い期間花を咲かせる。
 ③ それはしっかり実をつけるためにはしっかり受粉しなければならないからだ。受粉は虫や風で受粉する。
 ④ なので桜は梅よりも花の期間が短いのだが、一番目立っているソメイヨシノという種(しゅ)の花の期間は特に非常に短い。他の種ではもう少し長いものが多い。
 ⑤ つまり桜というが、一斉に花が咲いて早く散るのはソメイヨシノという桜なのだ。
 ⑥ そのソメイヨシノは突然変異したものを人工的に増やした特殊な種(しゅ)で実をつけない。実をつける必要もないので早く散る。
 ⑦ 本来は増えるはずのない木が、実がないのにどうして増えたかというと、人間が接木というクローン技術で無理矢理に増やしたのだ。
 ⑧ だから全国のソメイヨシノは実は1本の同じ木と言える。
 ⑨ なので同じ環境下では同じように一斉に開花して一斉に散る。
 ⑩ ただソメイヨシノは実をつけるために花が咲くのではないので、木としては異常な多さの花をつけるので美しい。

 ・・・ざっと、だいたいそういう風なことを小学校低学年の子に説明するのだから、受粉にしても、種(しゅ)にしても、接木にしても、はては突然変異やクローンなんて言葉から解説が必要で、先生の冷や汗たっぷり?の説明と、些か頓珍漢な子どもの反応が面白い。
 全て「わかったかな」「はい」で終わるのだが、子どもの頭の中はくるくる回転しているに違いない。
 さて、この桜の話を桜吹雪の下で新2年生の孫にしようとしたが、「そんな話はええ」と頭から拒否されてしまった。
 この孫の方が子供らしくて良いと思うことにしよう。

3 件のコメント:

  1.  NHKの「子ども科学電話相談」は夏休みや冬休みから昇格して毎週日曜日の午前にレギュラー化された。
     私の聞いたのは4月7日だったらしい。
     先生は甲南大学特別客員教授・田中修先生らしい。物凄い関西弁だ。

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  2.  私も「夏休み・こども科学電話相談」はよく聴いていましたが、中には親が子どもを出演させるために質問させているのがありありと判る内容の時があり、シラケてしまいますが子どもの質問に答える先生がたの苦悶の表情(ラジオだから見える訳ではないが)の答えを聞くのがこの番組の醍醐味です。夏ちゃんに質問させたかったな~。
     

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  3.  ひげ親父さん、同意。
     「くすぐったい」の回答は、「虫にさされないようになどの危険信号」というものだったが、最後に先生が「そのうち好きな人が出てくるとくすぐられるのが好きになるかも」で後ろの先生方も「ワハハ!」

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