2026年6月26日金曜日

母は昔はパパだった

    室町時代の日本初のなぞなぞ集「後奈良院御撰何曾(ごならいんぎょせんなぞ)」に「母には二たびあひたれども父には一度もあはず」という問いがあり、答えが「唇」というのは有名な話。

 昔、テレビで大野晋先生が、万葉集を「ふぁふぁぱぱ・・なんとか」と、まるで昨日にも家持(やかもち)に会ってきたかのように当時の発音で詠んでいたことが不思議だったが、万葉仮名を隋唐時代の中国語の音韻や、時代が下って室町時代のポルトガル人宣教師による日本語辞書で再現できている(らしい)。
 その結果、ハ行を例にとると、奈良時代は「パピプペポ」。平安時代には「ファフィフフェフォ」になり、18世紀前半ごろに「ハヒフヘホ」に変化したことが解かっていて、こうして「母は昔はパパだった」となる。

 先日の『古事記学会公開講演会』の森博達先生の講演は、日本書紀の文体がα群とβ群とで種々異なることから、その筆者までも推定した内容のある講演だったが、面白く興味深かったのは、先生が、古事記の中の有名なヤマトタケルの歌を『上代音』で朗々と詠いあげてくれたことだった。
 以下に書くが、歌の雰囲気が伝わるかどうか・・・・

夜麻登波 久爾能麻本呂婆 多多那豆久 阿袁加岐 夜麻碁母礼流 夜麻登志宇流波斯
ヤマとパ クニのマぽろパ タタナヅク アヲカキ ヤマごもレル ヤマとチウルパチ
LLHH HHHHHHL LLHHH LLHH LLLLFL LLHFLLLF
(平仮名:乙類相当、 H:高平調、 L:低平調、 F:下降調、 ハ行:P音、 シ:チ、 ヅ:du)

*画像はネットにあった和楽webのもの

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