2022年4月25日月曜日

ちひさきもの

   清少納言の言葉に「ちひさきものはみなうつくし 」(枕草子151段)というのがある。
 松岡正剛氏はそれを日本神話の少彦名(スクナヒコナ)や最古の物語のかぐや姫、それに短詩(和歌や俳句)、茶室、盆栽、根付などなどなどなどを牽いて日本文化の特徴と論じている。なるほどというところも「そこまで言うか」というところもあるが、面白い。

 小さいは、空間でいえば狭いであり、私も小さい頃は「広場恐怖症」ではないが、押し入れの中に小さな部屋を構えてそこで過ごすのが好きだった。
 そして思うに、総じて「小さきもの」は平和志向のような気がするが如何だろう。

 対極に連想できるのは大国主義、帝国主義で、その醜悪さは日々のニュースの種になっている。その伝で言えば、70数年前の大日本帝国は日本文化を逸れたもの、歴史の邪道であった。
 だから、戦後民主主義を嫌い戦前回帰を願望する右翼の言葉に「日本の伝統」などと出てくるのは大いに可笑しい。

 五段飾りの五月人形を手放したことは過去に書いたが、そのあとに写真のようなプチ飾りを飾ることにした。左右はほぼ10センチ。

   兵戈無用(ひょうがむよう)兜は飾るだけがよい

2 件のコメント:

  1.  以前にも書いたことがありますが私も「ちひさきもの」が大好きで盆栽、根付、水滴などからペーパークラフトに至るまで様々なものを集め、つくり楽しんでいました。
     その究極が「住まい」ではないかと思います。そんなに広くはないがモノにあふれた今のマンションを離れ三畳一間の長屋に憧れています。
     東京深川の江戸資料館と大阪天六の住まいのミュージアムには再現された長屋があります。仕事から帰り表戸をあけ三畳一間の上がり框に腰掛け、仰向けに寝そべると全てのモノが手の届くところにある、そんな生活に憧れています。

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  2. 収集癖が長屋にまで行きつきますか? 

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