2022年4月20日水曜日

孫の卒園

   歳月は冷たきまでに平等で療育園を児(こ)は卒園す

   4月19日付け『読者の文芸』短歌・畑谷隆子選に採っていただいた。
 友人のひげ親父さんから「冷たきまでに平等で、は複雑な感情が・・」とメールがあった。
 療育園の園児と言ってもまことに様々なのだが、孫は体も小さいし言語その他の発達もようやく緒についたばかりだというのに、「もう6歳だから卒園で学校へ」と言う。

 そのような歳月の文句なしの「平等」を喜んでよいのか悩んでよいのか。もやもや。もやもや。
 その気持ちを詠ってみた。でも、とりあえずはめでたい。卒園パーティーもわが家で行った。

 重ねて言うが、年齢で一律に小学生にする制度が理不尽だと異議申し立てをしているわけではない。
 ただ、もやもやというか、心配というか、障害に応じた丁寧な教育をしてもらえるのだろうかと爺ちゃんは一人悶々としている。

 さて俳句の方は、コロナを念頭に、
 園児らは運動会もなく卒園す

 接触者出て卒園式は個別

 の2句を投句したが、これは採ってもらえなかった。

 孫の毎朝は、療育園の送迎バスから特別支援学校のスクールバスに代わったのだが、「まったく違和感もなくバスを楽しんでいますよ」と学校の先生方がニコニコと伝えてくださった。
 ほんとうは、そういう手こずる違和感や人見知りも「あるべき発達」なのではないのかと思うとこれもけっこう複雑なものなのだが、孫は陽気な児童ということでとりあえず学校も支援センター(学童保育のようなもの)の方々も誉めてくださっている。そのことも含めて、この児は周りに幸せを撒く天使のようだ。爺ばか極まれり。

 願わくば、アインシュタインさま、この児らの時間を別建てで、少しゆっくり刻んでいただけないでしょうか。

5 件のコメント:

  1.  この短歌についての嫁はんとの会話です。私が単純に「卒園オメデトウとコメントしたことに幾分の自責の念を持った」としたことに対し嫁はんは「小さな体で心臓手術を乗り越え卒園したことはすごいこと」「やっぱりオメデトウやわ」と。
     そして自身の教育現場での経験から「お母さんたちはすごいで、ある種の腹のすわった少々のことには動じない姿勢は!」とのこと、「勿論、爺さん、婆さんもよく頑張ったけれど、お母さんの頑張りの結果やと思うわ」とのこと。お母さん、頑張りましたねとお伝えください。

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  2.  【ケンタさんから前日19日の記事に頂いたコメント再録】
     本日の短歌も併せ拝見しました。お孫さんへのあたたかいまなざし、尊敬する大門みきしさんとダブって、こちらも心があったかーくなります。

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  3. 凛ちゃん おめでとうございます
    (^_^) スーツ姿 似合ってます
    これからも 凛ちゃんの 毎日が
    凛ちゃんの 為に 楽しい 毎日に
    なります様に 祈っています
    ゆっくり ファイト!
    凛ちゃん ファイト!

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  4.  俳句の方で「接触者出て卒園式は個別」と詠んだが、個別の上に家族は2名までだった。しかしそれでよかった。もし昔どおりの卒園式があったなら涙を止められなかっただろう。
     「万感の思い」というのはこんな時の言葉だと思う。ひげ親父さんありがとう。爺婆ももっと楽天的にならねば・・・。

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  5.  ケンタさん、ミリオンさん、コメントありがとう。暖かい激励に感謝します。
     実は私のこのブログ記事を読んで妻は涙ぐんでしまいました。爺婆は少し心配性気味です。
     そして、この児は天使です。

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