2022年3月26日土曜日

核抑止力は地球の終わりまで効かない

   ロシアのウクライナ侵略に乗じて火事場泥棒を働く者がいる。
 「議論すべきだ」論も含めて核シェアリングを言い出した者がいる。
 安倍元首相や維新の松井代表らだ。
 アメリカの核兵器を日本に配備しておいて、日米共同で運用しようという。

 その発言の元を推測すれば、「ウクライナが核兵器を持っておればロシアに侵略されなかっただろうに」「ウクライナは核兵器を持っていなかったからロシアに侵略されたのだ」ということだろう。
 だとしたら聞きたいが、ウクライナを支援しているアメリカ、イギリス、フランス、NATOが核兵器を持っているのにロシアは何故侵略を継続しているのか。

 私は以前の記事で「核抑止力論が成立する前提は狂人(国家)であることだ」「それは地獄の入口のチキンレースだ」と述べたが・・・、声を大にして言いたいが、ロシアの西側諸国を敵にまわしたウクライナ侵略は『核抑止力論は成り立たない』ことを天下に教えた。『核抑止力論は成り立たない』。

 世界の軍事力比較はいろんな計算方法があって単純ではないが、一般に認められている数字では順に、アメリカ、ロシア、中国、インド、フランス、日本で日本の軍事力は世界第6位らしい。他の要素を重く見た統計でも10位以内は間違いなさそうだ。片やウクライナは、22位、25位、34位などの数字が打たれている。
 そしてこれらの統計が全てであれば、ベトナム戦争も、中東戦争も、アフガニスタンも、歴史上ありえないことになる。維新創設者の橋下徹氏の「ウクライナは早期に降伏すべきだ」というのも、そういう民衆の力が見えていない。

 経済制裁や、集会やデモ行進をあざ笑う橋下氏らに欠如しているのはそういう哲学の貧困だと思う。

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