2022年3月4日金曜日

大門ワールド

 京都民報(2月27日)の大門みきしさんの『いきいきエッセイ』には大門ワールドが輝いていた。

 🔳 私の孫のねおくんは、小学2年生の男の子です。重度の難聴で、ろう学校に通っています。明るく元気でボウリングが大好きです。手話が早くて、なかなかついていけないのですが、今のところスキンシップで通じ合っています。
 先日、久々に休みをもらい、ろう学校まで、ねおくんを迎えに行きました。すると通学路をねおくんと同じくらいの男の子が、重そうなランドセルを背負い、しくしく泣きながら一人で歩いてきます。先生に叱られたのか、友達とけんかしたのか。それとも他の小学校の子にいじめられたのか。近づいて手話で「どうしたの?(立てた人差し指を左右に振る)」と聞くと、小走りに逃げて行きました。怪しいおじさんと思われたらしい。
 谷川俊太郎さんの絵本『ともだち』を思い出しました。「ともだちって、かぜがうつっても、へいきだって、いってくれるひと。いっしょに、かえりたくなるひと。みんなが、いっちゃったあとも、まっててくれるひと」
 以前、ろう学校の女の先生が、安倍政権の新由主義教育改革によって、特別支援教育にも自助、競争の流れが強くなったとおっしゃっていました。それが学校生活に余裕を失わせ、障害のある子どもたちにまで分断をうんでいなければいいが。どの子も大事に育ててほしい。
 そんなことを考えていると、「G,G-!」と、ねおくんが私を見つけて走ってきました。この子に幸あれと願いながら、しっかりと抱きとめました。🔳


2 件のコメント:

  1. 私もこの記事どこかで読みました。ジーンと胸があったかくなったのを思い出しました。まさしく大門ワールドですね。

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  2.  大門さんは「人品骨柄卑しからず」という言葉が似合う方です。
     スマホさえ手にしようとしない人に常々言うのですが、フェイスブックでこれらの方々の人柄に触れるだけでも値打ちがあると思います。

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