2021年12月28日火曜日

朝日の異議ありに異議あり

   小選挙区制が民主主義の大原則に照らして致命的な欠陥を持っていることは昨日書いた。
 ところで、朝日新聞の24日の「オピニオン&フォーラム」は「異議あり」というタイトルまでつけて、「比例復活当選への批判が相次いだ」という論調で主張を展開し、多かれ少なかれ他のメディアも少し面白おかしく同様の論を展開している。それって、ほんとうにそれでいいのだろうか。

 テレビでいえば、総選挙の前の自民党総裁選は多くの時間を割いて報じたが、比較すれば明らかに総選挙そのものの報道は少なかった。
 少ない報道の中身でいえば、新聞も含め、競馬のレース予想よろしくの報道は多かったが、安倍・菅政権の総括、残された宿題に関わる報道はスルーした。

 その延長線上のゲーム感覚で、小選挙区という本番で負けた候補者が「裏口入学」するかの「ゾンビ復活」という、なんとも情緒的な論に思えて仕方がない。

 いうまでもないが、国会の審議の中心は委員会審議となる。すべての事項を本会議で行うというのは全く非現実的であろう。となると、政党が議席を争って多くの委員会に精通した委員を送り込むという政党政治が基本となることはいうまでもない。
 
 民主主義を議会制度の原則と考えるならば、小選挙区制よりも比例代表制の方が国民の総意を反映しやすいわけだから、「ゾンビ復活」などと茶化すのでなく、本質的な議論を提起すべきだろう。

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