2021年12月4日土曜日

住吉踊り

   俗に「堺住吉・・」とモノに書かれたり唄われたりするが、普通にいえば「住吉堺・・」だろう。
 ただ摂津の国の最南端が住吉郷でその端(堺)が堺だから、大和川が付け替えられる以前の住吉と堺は混然一体の感があったように思う。(摂津の南が和泉)

 その堺に住吉大社の頓宮(御旅所)があり、私は小さい頃その近くに住んでいたから、初詣は阪堺電車で住吉大社(住よっさん)に行くのが定番だったし、住よっさんが堺へ旅に来られる夏の住吉祭は必ず行っていた。
 ただ、御田植神事(植女例式)には行ったことはなく、長じて京都ゑびす神社で付けてもらった縁起物の「人気大寄せ」(写真)で、原形といえる住吉踊りの縁起物を懐かしむだけだった。

 御田植神事では、基本は、大きな傘を持った音頭取りに合わせて植女が踊るのだが、亡くなった義母に教えてもらった義母の生家(半ば山村)の盆踊りもそうであったから、私はこの大きな傘は神の依代だと思っている。

 摂津の国一之宮住吉大社は古事記に登場する最古級の由緒ある神社で、神仏習合以後は神宮寺もあり、中世には神宮寺の願人坊主が全国に布教に歩いたが、その折に、布教のパフォーマンスとして披露し門付け芸にまで進化したのが住吉踊りという。

 生國魂神社で毎年行われる上方落語協会の彦八まつりでも住吉踊りが披露されるが、住吉踊りは更にかっぽれなどの寄席芸に「成長」し、反対にいえば、寄席の踊りや各地の盆踊りなどの音頭の原点の一つが住吉踊りになる。

 にもかかわらず、住吉踊りを深く知らないまま歳をとり、偉そうな顔で大阪人を称してきたことを深く反省している。

1 件のコメント:

  1.  you tube で寄席の住吉踊りを見ると、前口上の開口一番「堺住吉伊勢音頭・・・・」と言われているから、住吉大社は堺にあるようでおかしい。堺出身者としてはいささか誇らしいが。

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