縄文時代というと「ギャートルズ」ではないが、非定住の狩猟・採集生活という誤解があったが、近年の考古学は、ムラを形成して栗の木などを植栽していた、つまりは初期の農業も始まっていたことを証明している。
アメリカ先住民の物語では、狩猟・採集生活では、老人などが老いると集団に迷惑がかからないよう身を引いて、いわば自死していた。時代は異なるが楢山節考を想起されよ。
そのことに関連して、考古学者小林達雄氏が要旨次のように述べられている。
■ 定住的なムラを営むようになると、若夫婦が食べ物や道具の材料をとりに出ている間老人は留守番をしていれば済むようになり、幼い孫の面倒をみていろいろなことを教えるようになった。祖父母から孫世代への知識の伝達、この循環が上手くいくようになると文化が発達した。■(文化庁編「日本発掘!)
アフリカのことわざに「老人が一人亡くなるのは図書館がひとつなくなるのと一緒だ」というのがあったが、なるほど!である。そして思うに、「経済成長無くして幸福なし」と考える?この国ではそういう文化が衰退しつつあるのではないだろうか。
・・・というようなことを、縄文人も食したであろう榧の実を食べながら考えた。
ローストされた榧の実は立派なナッツだ。
返信削除榧(かや)の木はイチイの木の科に属している。