2021年12月1日水曜日

木守柿

 11月中旬に心臓のアブレーションというカテーテル手術を行い、退院後すぐに再入院をした。師曰く「失敗ではないが成功しなかった」らしい。
 再入院の際は息もあがって胸のレントゲンのために立ち上がることもできず、全集中で立ち上がるからその一瞬に撮ってほしいと頼んだが、その一瞬立ち上がるために私が発した雄たけびが院内に響き渡ったらしい(妻の証言)。

   というようなこともあったが、執行猶予というか保釈というか、「何かあったら遠慮なく救急車で来い」という前提で退院し、わが家の木守柿と再会できた。
 「柿の実は全部採ったらあかん。ひとつは鴉のために。あとの二つは旅人のために」という木守柿だが、吾もまた人生の旅人だと実感した。

 そんなもので、大阪市内などへの外出は少し困難だがテレワークは可能なので、OB会会報正月号原稿は少し早い目に欲しいと頼み回ったが、入院前に頂いていた原稿の外に入院中には原稿がパソコンには届いていなかった。弱った体からさらに力が抜けていったが、人生は思い通りにはいかないものだ。

 秋は「実りの秋」である。果物以外にもいろんな木の実が熟れて「野鳥も肥える秋」だからか、初秋には相当喰われたわが家の柿も、今は更にこのように目立つ状態にもかかわらず無傷でいる。
 「それでも地球は廻る」ではないが、風雨順時、秋の実りは美しい。

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