「卯の花腐し(うのはなくたし)っていう季語を知っているか」と妻が言った。
どんな花でも満開を過ぎれば汚くなるものだが、この時期の卯の花のそれは季語に相応しいと感心して話しかけてきた。
陰暦4月の別名が「卯の花月」で、陰暦4月の雨が卯の花を朽ち果てさせるのでこの名がある。
ほかの花の名誉のために言っておけば、特にエゴノキやオリーブの木の花の一面の蕊(しべ)の絨毯にも、「盛りを過ぎた生き物」の美しさがある。
6月1日の四コマ漫画「まんまる団地」は次のようなものだった。①「わーッ かわいい花」と女の子、②「やたらにとると おじさんたちにおこられるよ」、③「どうします?」「あとまわしにしようか」とおじさんたち、④「なんていう花?」「わかんない」 吹き出しみたいな窓におじさんが「どくだみダヨ」。
偏見なく見ると美しい花である。十薬という尊い名前もあるのに「ドクダミ」の響きは可哀相だ。
足で蹴飛ばすと何とも言えない芳香?(腐臭?)がする。
私はこの匂いがすると都会を離れてハイキングコースに入った気がして好きである。
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