2019年6月8日土曜日

縄文人さんごめんなさい

   5月10日の『土偶大好き2』で触れたように、孫の夏ちゃんは大型連休中に長野県茅野市の尖石(とがりいし)縄文考古館に行って、写真1のとおり、小さいけれど縄文土器を捻ってきた。
 考古館の指導に基づき縄文(の模様)も立派についている。
 それを「祖父ちゃんにやる」と言って持ってきてくれた。

 そこで、ただ貰うのではなく、きちんと縄文土器らしく焼き上げておくから見に来るようにと夏ちゃんに約束した。
 いろいろ考えたがガスレンジの上で焼くのではおもしろくない。
 ここはやはり野焼きせねばなるまい。
   カンテキに一部炭を入れながら、基本は木材で写真2のとおり焼いていった。
 壺自身が真っ赤に輝いてきて、木炭で製鉄が出来たというのも納得した。

 「縄文土器の焼き方」をネットで検索すると「ほぼ1日中燃やし続ける」とあったが、朝から孫の凜ちゃんを療育園に送り出し、自分自身の医院と薬局に行き、夕方にはまた凜ちゃんを迎えに行って、後はお風呂や夕食という合間を縫ったので、非常に気をつけてゆっくり温度を上げたり、最後にはゆっくり下げたつもりだが、結果は「イラチのむくい」で土器の一部が剥がれてしまった。

   縄文人さんごめんなさい。野焼きのまね事ぐらい簡単にできると侮ったツケが来た。
 写真の裏側は一部剥離した。
 ネットの知識だが、400℃ぐらいまでに6時間は掛けてゆっくり温度を上げ、その後600℃~800℃ぐらいまで上げるとあったが、早くに400℃以上に上げ過ぎたのが失敗の原因らしい。
 それでも、少しは縄文土器の味は出た気がする。

 弥生土器になると登り窯が出現してさらに温度が高くなる。
 その後の埴輪や瓦もそんなに生焼けではなく焼きしめられていたことが解っているが、縄文時代だって相当高度な技術とマニュアルがあったに違いない(と私は考える)。

 焼く以前には十分に乾燥させておくことも非常に重要だから、いわゆる竪穴式住居以外に、成形した器を乾燥させておく倉庫(屋根のある作業場)のようなものも必要ではなかったか。
 と考えると、発掘された各種縄文遺跡の説明の中で「焼き入れ前の土製品の乾燥用置き場跡」という説明を聞いたことがないのはどうしてだろうか。解らない。
 ただ、縄文土器だって、相当な技術が必要なことは思いっきり知らされた。
 ・・現代人って何だ。普通には縄文土器ひとつ作るのにふうふう言っている。(私)

   炎昼に焼けて輝く縄文土器

2 件のコメント:

  1. 貴家の一角は「トワイライトゾーン」なのでしょうか?古代の風が吹いている様な。

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  2.  いいえ、実につまらぬ現代人の時間の感覚で接して、見事縄文にはね返されてしまいました。

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