これまで日本において文句なしに教科書や漢和辞典が基にしてきた、およそ1,900年前(西暦100年)にできた許慎(きょしん)の『説文解字(せつもんかいじ)』では、「告(こく)」は「牛が人に告げるとき横木をつけた角で人に触れるから」とされている。
平たく言うと「牛が人に何かを訴えるために口をすり寄せているのである」と。
さすがにこの解釈には疑問も湧くため、声符が牛の形声とする説、牛を犠牲として捧げて神に訴える説、牛の口を塞いでいるとする説、牛の角に横木を付けて人に慣れていない牛であることを警告する意とする説、牛の鳴き声とする説などがある。
ほかに牛+口ではなく、之+口の会意で、行って告げる意とする説や、舌を伸ばした形という説もある。
しかし告の字形は、卜文、金文によって、その上部は牛ではなく明らかに木の枝であった。
その上にこの問題に終止符を打ったのが、白川静による「さい」の発見で、これまで単に「くち」として解釈していたものの多くは、実は「祝詞(のりと:人が神に願いごとをするために書いた文)を入れる器の形」=「さい」であることを解明した。
というようなことを説明しようとして16日は上手くできなかった。
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