2019年6月14日金曜日

元興寺行燈絵名品展

   近頃人気の「なら町」の地は、元は興福寺や元興寺の境内であったところである。
 その元興寺は、588年に建設が始まった日本最古の寺である飛鳥の法興寺(飛鳥寺)の主要部分が平城遷都で移ってきたもので、今も当時の、つまり日本最古の瓦が博物館ではなく屋根の上に葺かれて残っている。

   そのように南都七大寺の内の大寺院であったが、古代の官寺であっただけに古代の制度の衰退とともに寺も衰退し、それだけに、中世以降の庶民信仰の寺として、東大寺や興福寺よりも風情が残って今に来ている。

 話は戦後に跳ぶが、奈良の各種歴史遺産に「金の亡者ども」が群がり、奈良の文化が踏みにじられようとしたとき、当寺の辻村泰圓住職や東大寺の上司海雲師らが、著名な文化人らとともに立ち上がり、それに抗ったことは有名で、さらには当寺は「元興寺文化財研究所」を立ち上げ、数々の貴重な研究・発見を重ね今も進歩している。

   今、境内にある「元興寺法論館」で「元興寺地蔵会行燈絵名品展」が6月30日まで開かれていた。
 私はそれを知らずに行ったのだが、先ほど少し触れた戦後文化人の「行燈絵」100数点が展示されており、ある意味どこかの美術館以上の趣があった。本当にすばらしい。

   さて、名品展も知らずに何故私が元興寺に行ったのかは、別途報告する。

   蓮池の曼荼羅明るき元興寺

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