28日は、『蟄虫坯戸』蟄虫戸を坯す(ちっちゅうこをはいす)、七十二候秋分の次候で虫が隠れて戸をふさぐころ(巣ごもりの支度を始めるころ)などとのんびり構えていると、「ボーッと生きてんじゃぁねぇよ」という声が聞こえてきそうな空模様。
野分は台風の古称。
奈良民俗文化研究所の鹿谷勲所長の講義で知ったことだが、大和の田楽では小ぶりの太鼓や鼓を床に置いて扇でそれを仰ぐことが多々ある。
横の人がその立っている太鼓をわざと転がしたりすると、主たる人がそれをきちんと立て直す。
太鼓や鼓は稲の象徴で扇の風は野分。転んだ太鼓(稲)を元に戻して収穫の予祝をしていると。
ことほど左様に昔から野分は大敵であった。
野分と聞くと夜明けと語呂が似ているせいか優雅な語感があるが、今年近畿を直撃した台風はそんな生易しいものではない。
写真は28日の東大寺大仏殿。提灯や幔幕等を取り外して台風対策に余念がなかった。
さて、今日はどうなることやら。田楽の真似事でもして災厄を祓いましょうか。
大和には野分を祓う舞いのあり
以下、ネットにあった奈良の伝統行事の写真を追加する。
扇で風を起こして野分を表わしているようだ。
写真を3枚追加しました。
返信削除写真の大仏殿、中門(でしょうか?)に懸る幕や幡が風に揺れるのを見るのがなぜか好きです。大きな幡がゆったりと揺れると万葉の風が吹いているようです。
返信削除トラックには大きな提灯が二つ乗っています。
返信削除