2018年9月12日水曜日

奈良公園にリゾートホテル?

   奈良県が開発業者に格安で貸そうとしている現地を歩いてみた。
 浮見堂の南(奥の森のような樹々)の結構広い土地だった。
 確かに、このまゝ何もしないというのももったいない気がする(いや浮見堂の借景だけでも意義は大きいか)が「何で高級ホテル?」と疑問は深まる。
 
 都市公園法施行令第8条の4は、「都市公園に宿泊施設を設ける場合においては、当該都市公園の効用を全うするため特に必要があると認められる場合のほかこれを設けてはならない」と定めている。

右側が予定地
   つまり「市街地から相当の距離があって周辺に宿泊施設がないところ」なら市民が公園を十分楽しむために例外的に認めよう」というのが法律の主旨である。では奈良公園はどうか。

 奈良公園に接する市街地には宿泊施設は多数あり稼働率にも余裕がある。
 キャパシティーをもう少し増やしたいなら、既存の宿泊施設が現行法の下で増改築できるよう援助すべきだろう。
 とまれ、言われている高級ホテルは約30室である。?????話にならぬ。

 全室温泉(露天風呂)付きというが、その温泉は毎日タンクローリーあたりで運び込むという。話にならぬ。

 その上に、民間会社に貸し出す前に、奈良県が2億5千万円出して整備するという。ここまでくると話は無茶苦茶だ。

 帰りに近鉄電車から若草山を見ると、北の方に若草温泉郷が画龍点睛を欠くように汚らしい。今般のリゾートホテルの将来を示しているように私は思った。
 若草温泉郷は当時の奈良市長らがごり押しで推進したもの。

   台風一過そしらぬ顔の虫の声

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