今年は5月に雨が少なかったから目立ったのだろうか、楝(おうち=栴檀)の花がほんとうに粉雪のように舞い散る日が続いて、その下を通るたびに一人感激した。
花鳥風月などというタイトルをつけて偉そうにブログを書いたりしているが、楝の花がこのように舞い散るのは知らなかった。
そのせいで歩道は一時雪景色のように白く染まった。雨がなかったのでそれが暫く続いた。
明治29年佐佐木信綱氏もこういう風景を見て「夏は来ぬ」を作詞したのだろうと一人納得した。
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孫と一緒に「ほう ほう ほたるこい あっちのみずはにがいぞ こっちのみずはあまいぞ」と何回も唄った。おかげで寄ってきた蛍は夏ちゃんの目と鼻の先で長い間止まっていてくれた。
それを夏ちゃんは5分近く覗き込んで観察していた。何を観て何を考えていたのだろう。
実際、大人たちは「小さい甲虫」「ほんにお尻が光っている」で通り過ぎて行った。
〽蛍とびかいのフレーズは「夏は来ぬ」の3番にも5番にも登場する。
やはりこれは初夏を代表する風物詩なのだろう。異議はない。
妻が「蛍を見に行ったときには下の方で光っているのを捕りに行ったらあかんで」と孫に話していた。
これは義母が蛍の話になるとこれまで何回も語ったパターンで、「それは蛇の目やからな」というものだった。こういうのを伝承というのだろうか。
春はあけぼの。・・・・・・。夏はよる。月の頃はさらなり、やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただひとつふたつなど、ほのかにうちひかりて行くもをかし。雨など降るもをかし。(枕草子〔一〕)
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