菜種梅雨が終わったと思ったら4月にはテレビニュースが夏日、真夏日を報じていた。(その後は打って変わって「高原の夏」になったりしてますが)
瞬時に木々が花咲き、昆虫が飛び回っている。
・・・また昆虫採集の話かとうんざりされるかも知れないが、池田清彦先生の文に次のようなくだりがある。
「人工物は基本的に捕ることができない。それに対し虫は無主物である。捕ったら捕った人のものである。私が虫捕りが好きなのは第一にこの故なのであり、権力が虫捕りを忌み嫌うのもまさにこの故なのである。好コントロール装置である権力は、この世界に無主物が存在するという考えが、そもそも気に入らないのであろう。
虫捕りは、お金は不要なかわりに、頭と体だけはイヤというほど使う。権力が虫捕りを忌み嫌う、第二の理由がここにある。お金が全くかからない究極の楽しみがあるという話は、おそらく権力の琴線に抵触するのだろう。」
他愛ない独りよがり、ほら話のようで、ある種の真実をチクリと刺した楽しい話である。
さて孫は、近頃では蝶も優しく持つことができるようになった。今までは力が強すぎて見ていられなかったが。
今では、何回も何回も、翅がちぎれたり、鱗粉がとれたりしないように優しく翅を持っている。
私が、以前にこのブログに書いたカラフルな昆虫図鑑を出して「調べてごらん」と言ったら、虫籠を横において熱心に見比べた。
私がナミアゲハのところとモンキチョウのところを広げて「これかな」と言ってみたが、孫は「違う」という。
じっくりと見比べて、ナミアゲハは赤い斑点が図鑑より実物の方がオレンジ色だという。モンキチョウは裏の黒い紋の数が違うという。
私は「だいたい一緒だからナミアゲハとモンキチョウだよ」というのだが、孫は「違うから違う」という。
世間の常識とやらに汚れてしまった老人にはナミアゲハとモンキチョウにしか見えないが、もしかしたら曇りのない孫は新種を発見したのかもしれない。
それを「だいたい一緒だから」などと言ったのを後悔した。
池田先生は「世界に生息する虫の、少なくとも70~80%は未記載種だ」と言っている。
ありのままの自然や事実に学ばなければならないのは大人の方かもしれない。
原発再稼働や戦争立法、・・・虫捕りをしなかった大人には真実が見えにくくなっている。
原発再稼働や戦争立法、・・・虫捕りをしなかった大人には真実が見えにくくなっている。
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