2015年5月16日土曜日

フレーミング効果

  人々に判断を求めるとき、表現の違いで多くの人々ははっきりと誘導されるというのが、心理学でいうところのフレーミング効果である。
 例えば、ある伝染病で放置したなら感染した1000人全員が死亡するが、そんなとき次のA案でいくべきかB案でいくべきか?
 A案の場合なら300人が助かる。
 B案の場合なら70%の確率で全員が死亡する。
 この場合、多くの人々はA案を選択する。
 反対に、A案の場合なら700人が死亡する。
 B案の場合なら30%の確率で全員が助かる。
 こう問われた場合、多くの人々はB案を選択する。
 お気づきのとおり、A案もB案も、先の言い方も後の言い方も、その内容は全く変わらない。
 ことほど左様に印象操作は効果的であるから、霊感商法も詐欺商法も種は尽きない。私たちは、広い意味でそういう(騙されやすい)弱さを持った人間であるとの自覚が大切で、「他人は騙されても私が騙されるはずがない」と疑わない人が騙される。
 
  テレビでコメンテーターなのかどうか怪しい芸人たちが座っていて、この期に及んで「都構想ってようわからへんわ」と言いながら、「それでもなんか改革は必要やろう」というようなことを言っているが、それは橋下・維新の印象操作に操られているのである。そして、当人たちにはフレーミング効果で誘導されているという自覚がない。
 なぜそれが橋下・維新の印象操作だと私が言うのかというと、彼らの唱える「都構想」がほんとうによいものなら、堂々とデータや内容を明らかにして、自信を持って市民に判断を仰げばよい。
 そうではなく、実は徹頭徹尾胡散臭い内容であるから、内容を語ることなく、「大阪はこのままで良いのか」とか「府と市があるから二重行政だ」とか「絶対に悪くはならない」とか「未来に向けて」とか「やっとここまで来た」とか、情緒、印象、イメージ、ノリで投票に持ち込みたいのである。
 だから一部の学者は「催眠商法と同じ」と批判しているのである。
 
  大阪の西天満には55年間「閉店セール」を続けている靴屋がある。
 「話が違うやないか」と聞くと「毎晩閉店している」と答えるらしい。
 粗悪品で暴利をむさぼっているようでもないから、多くの大阪人は笑い飛ばしているが、「都構想」と「閉店セール」は一緒ではない。
 横山ノック以降のノリの政治はもう止めにしないと危険極まりない。
 「ようわからへん」のは都構想の内容が嘘だらけだからである。
 だから、大阪都構想は霊感商法そのものである。
 「貴方の肩の上には二重行政という背後霊がついている」「貴方の不幸はこの背後霊のせいである」「都構想でお祓いをしないと先はない」「毎年1億円儲かる。だから最初に260億円いる」「壺を購入すれば運気は開く」・・・・。この話とどこが異なるというのだろう。

2 件のコメント:

  1. 安倍首相が関西(神戸と和歌山に)1泊で来ています。大阪はさすがに外していますが、臭い匂いがプンプンします。何をしでかすか、特にちょうちん持ちのメディヤに注意!何を言い出すか。

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  2.  ここで本格的に応援をして「反対=否決」になったら安倍自身の土台が弛むと判断すれば彼は躊躇するでしょう。そう思わせなければなりません。

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