2015年5月5日火曜日

幻の二重行政論

 「二重行政解消で財源が生まれる」とのキャッチフレーズは魅惑的であった。
 「生まれた財源で生活が良くなる」と大阪市民に大きな夢を振りまいた。
 しかし、いったい何が二重で何をなくすことで財源が生まれるのかというと、ほとんどの市民は判らない。
 それもそのはずで、当初は4000億円の財源が生まれると言っていたのが、結局市議会に提出された資料では1億円となっている。維新のいう二重行政などほとんどないのだ。
 それどころか、5つの特別区には庁舎も必要だし、例えば教育委員会も5つ必要になる。
 市から府に移管する行政は、担当者が市職員から府職員になるだけである。
 庁舎改修等の初期コストが約680億円、運営コストは年間約15億円増というのが立命館大学政策科学部森教授の試算。
 「市役所と市職員がなくなって財源が生まれるのんとちゃうかったん」と市民は橋下氏の嘘に気づいてきた。
 こういうことを世間では詐欺というのだろう。
 その一方で市の税収6270億円(12年度)のうち、法人市民税や固定資産税など4620億円(約4分の3)が府のものとなり、痕には貧相な5つの特別区が取り残される。(森教授)
 そしたら何でこんなアホなことを橋下氏はしようとしているのか。
 ‟哲学も理想もない”というのが彼の特徴だから、常識ある市民にはそれが理解できない。
 7年間知事や市長をしてきて何の実績も上げられなかった責任逃れ、問題のすり替え、・・そして話題を引っ提げて国政に出たいというあたりだろうか。
 先日の記事で、東京23区自身は、特別区の権限と財源の少なさを嘆いて「特別区なんかいやや」と主張していることを指摘したが、これも大阪市民は知らなかったらしい(東京の・・特別区協議会『「都の区」の制度廃止と「基礎自治体連合」の構想』2007年12月)。
 名前を特別区にしたら自動的に世田谷区や新宿区みたいに賑やかになると思っていたようだ。
 ほんとうに東京のようになりたかったら、全国一の政令指定都市・大阪市を核にして中央政府に東京一極集中の是正等モノを言ってゆくべきだろう。
 それでこそ浪速っ子だと私は思うのだが。

 だから、大阪市の廃止・解体に反対の大阪市民は住民投票に足を運んで『反対』と書かなければならない。
 「棄権」は事実上賛成になってしまう。
 ・・・・・面白い動画を見つけた。



2 件のコメント:

  1. 皆さん!見てますか、読んでますか、始まっていますよ!「都構想」に反対する連載が。

    返信削除
  2.  ひげ親父さん、エールに感謝。しかし、少し「爺ばか日誌」も書きたいよ~。

    返信削除