楝(あふち)栴檀の古名 |
朝晩、特に未明にははっきりと時鳥(ほととぎす)の声が届いてくる。
歩道の街路樹の楝(おうち)の花がいい香りを漂わせている。
これで水鶏(くいな)が叩けば(鳴けば)いうことがないが、水鶏、正確には緋水鶏の戸を叩くような声はここにはない。
芳香がある。淡い紫は楝色 |
3 橘(たちばな)の香る軒端の 窓近く蛍飛びかい おこたり諌(いさ)むる 夏は来ぬ
以前に実母の介護に老人ホームに通っていたとき、私が「夏にはダレルから怠り諌むるなのですかね?」と呟いたら、いつも半分眠ってばかりの入所者の方が「蛍雪の功ではありませんか」と教えてくれた。
入所者は言わずと知れた人生の先輩だった。はは~~。
晋書というから飛鳥時代の前半だろうが、蛍の光・窓の雪で勉学に励んだ故事である。
リタイアすると何事につけどうしても易きに流れやすくなるが、初夏を迎えるたびにこの歌を通して反省させられる。
一つおまけで、桑の実が熟し始めた。通るたびにポイッと口に放り込んでいる。
孫が来たら一緒に食べるのだが、来るような予定は今のところない。
これを知っていると知っていないとでは、〽赤とんぼ の理解に大きな差が出ると思うのだが。
も一つおまけで、スイカズラ。
数年前は見つけて嬉しかったものだが、今では雑草以上に繁茂している。
美しくこれも芳香がある。
これが古代エジプトに繋がるパルメット・忍冬唐草紋だと思うと情趣が深くなる。
忍冬紋といい葡萄紋といい、古代の我が国は大いに国際的だった。
ヘイトスピーチではないが、「日本人はこんなに素晴らしい」的なテレビ番組の氾濫は、選民感情をくすぐるようで、的外れで危険な匂いがする。
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