2014年2月28日金曜日

鴉(カラス)

奈良公園のハシボソカラス
  2月21日の「別世界からの使い」に、「芸術家がどうしてカラスなどに注目したのだろう」という感想を書いた。
 そんなこともあったので、奈良公園で少しじっくりと観察したが、ここのカラスは『鹿煎餅』の屑を食べたりしているせいか、我が家周辺でゴミステーションを睥睨しているハシブト(嘴太)カラス(ジャングルクロウ)よりは少し「人の好さそうな」ハシボソ(嘴細)カラスで、此方の気分のせいか可愛らしくもあった。
 ハシブトとハシボソの違いは嘴を見ても判らず、オデコが盛り上がっているかどうかでわかる。
 ただ、冷静に考えればこれはハシブトとハシボソの違いではなく、奈良公園のカラスが「観光客というのは比較的おとなしい」と学習したのだと思う。
 だから、ベンチに座った私が投げる餌を、ハト以上に近寄ってきて啄ばむし、カメラを向けても平気だった。(通常の解説書にはそんなことはないと書いてある)
 『烏合の衆』などという言葉があるがこれは全くリアルでなく、カラスは状況を判断して、人間を襲ったりもするが愛想よくもふるまう。

  すぐ目と鼻の先にある先日の美術館には、柳原義達氏の『風の中の鴉』というブロンズ彫刻があった。(ブロンズ彫刻であるから各地にもある。)
 私は形容しがたいパッションを感じた。
 その風とはどんな強風なのだろう。
 鴉は風の向こうの何を見据えて飛び立とうとしているのだろうか。
 それを作者はどのように共感してこの作品を作ったのだろう。
 ・・・・それに比べて私の足元のカラスはなんと穏やかなのだ。
 既成概念でモノを見てはならないと反省した。
 繰り返しになるが、この作品、私は気に入った。
 そして、私も日々このような姿勢で生きていきたいと、そんな風なことをザワザワと感じさせた鴉だった。
 

5 件のコメント:

  1.  35年以上以前のことですが、私の後輩が公園でカラスにやられたと、頭を血だらけにして帰ってきたことを鮮明に覚えています。跳ね除けても勇敢に襲いかかってきたそうです。その後映画で「バード」を見て背筋が寒くなりました。カラスは勇敢です。つまらないコメントすみません。しょうもないことかもしれませんが大阪市長選関心があります。

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  2.  コメントありがとうございます。確かにカラスは恐ろしいときがあります。通常、鷹類もカラスの集団にいじめられます。でも、私の体験した奈良公園のカラスの状況も事実です。世の中は単純ではありませんね。
     大阪市長選挙は以前のブログのコメント欄が私の思いです。悩んでいないわけではありません。そして、現状を悩みもしないで語りもしない人々に少し落胆しています。大阪はどうなるのでしょう。・・・・でも、そんなことを言ってられません。来週から大宣伝です。

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  3. そうです!これまで「黙殺」というだけで何もしなかった自民、民主が維新批判のビラを準備するなど共同の力に反応してきています。共同の力は確実に彼らを追い詰めています。

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  4.  そうですか。橋下の思惑通りにならないことを期待しています。ご奮闘に敬意を表します。近所の政治通が私に教えてくれました。「橋下市長はヒトラーと共通点が多い。ある目的のために一般市民の心を懐柔する妖怪だ。」

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  5.  橋下維新は前の選挙時に「都構想で毎年4000億円浮いてくる」と大宣伝しましたが「制度設計案」で出てきたものは甘く見ても9.4億円でその中に病院の統廃合6.2億円を含むです。その一方で市民負担増237億円なのですからオレオレ詐欺も顔負けです。
     その市民負担増の財源は、カジノ誘致、大阪から関西空港までのアクセス1分短縮に400億円(全体で2000億円)かける「なにわ筋線」等の大型開発にというのですから、前回熱狂した少なくない市民も「あほらし」と冷え込みつつあります。
     ほんとうは、ここで対立候補を立てて一挙に決着を図りたいところですが、共同の候補擁立は現状では難しそうです。
     ただ、来年暮れには本選挙です。(橋下当選の場合の任期は元の任期末までです。)ここでほんとうに大阪は変わると思います。

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