2025年7月15日火曜日

赤とんぼ

海恋し潮の遠鳴りかぞへては少女(をとめ)となりし父母の家
 与謝野晶子 

 私は小さい頃、堺の晶子の生家近くに住んでいた。風は塩気を含んでいたし、早朝寝床でまどろんでいるとポンポンポンポンと焼玉エンジンの漁船が出ていく音が気持ちよかった。
 そんな感覚が身に染み込んでいるためか、この14日の朝のカンカン照りにもかかわらず風がけっこう吹いている下では、「あっ、台風が来ているな」「浜は土用波だな」と、天気予報の情報とは関係なく、体からそういう感覚が湧いてきた。(天気予報では低気圧)

 朝、孫の凜ちゃんのスクールバスの乗り場前の空き地に、赤とんぼ(アキアカネ)が舞っていた。少し早い気がするが、根拠のある判断ではない。
 写真を撮り忘れたので、代わりに私の机のすぐ横のカーテンを撮った。オニヤンマ君である。
 毎年なら梅雨真っ最中という時期なのに、14日の気候はお盆過ぎの雰囲気が漂っていた。
 それでなくても「時の経つのが早すぎる」と感じているのに、微かな秋の影に恐怖感すら覚えた日だった。

1 件のコメント:

  1. 熱発、咳、喉の痛み、体中の倦怠感、しばし横臥。

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