2025年2月23日日曜日

中国の少数民族

    以前にテレビで『関口知宏の中国鉄道大紀行』というのがあったが、どこかの海岸で中国西部あたりからの遠足みたいな子どもたちと関口が「日本人だ」というような会話をしたとき、「日本人は海を知っているか?」と聞いてきた会話が実に楽しかった。そしてあの大きな大陸ではさもありなんと納得した。
 先日、『民族がわかれば中国がわかる』という中公新書を読んだが、中国には公的な定義で56の民族が住んでいる。さらに未識別の民族が80万人以上いるらしい。それらの多くは南部にいる。
 この本は、各民族の歴史的な立ち位置のようなものに重心があったが、文化や習俗でいうと日本人、日本文化のルーツのように見える事柄も少なくない。
 荒っぽく言うと政治の北方に対して文化の南方で、傾向としては南方人は北京の政治に対して批判的な傾向があったが、近年、特に習近平体制になってからは、香港を見るまでもなく均一化の押し付けが強まっている。
 ただ、日本でさえケンミンSHOWみたいに県民性の特徴があるのだから、ほんとうは大きな違いがあるのだろう。ただこの本ではそれほど紹介されていない。

 若い頃、労働組合の本部にいたが、例えば北陸ブロックで酒を飲むと「あの時信玄と信州は・・・」とか、東北ブロックでは「戊辰戦争の時に伊達は・・・」というようなちょっとした恨み節が語られたりしたが、その伝で行くと中国大陸では、民族や地方間で大虐殺などが繰り返された訳だから、表面には出ていないが多民族国家の「経営」は難しいだろうなあと変な同情も湧く。
 中国にしてもインドにしても、ヨーロッパ全体に匹敵する広さと民族を抱えている。
 我々日本の多数派には民族問題などの関心が薄いが、そのままでは世界が正確には見えてこないのではないか。
 四川料理は辛い! 茅台酒は貴州だ! から一歩踏み出そうと。

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