2020年1月9日木曜日

悪夢のプレゼント


 首相官邸のホームページに、令和216日 安倍内閣総理大臣年頭記者会見が掲載されている。
 すでにテレビや新聞で報じられているとおり、首相は質疑を受けた形で、憲法改正について次のように応答した。
『国会議員として、憲法改正に対する国民的意識の高まりに対して、これを無視することはできないと思います。その責任を果たしていかなければならないと考えています。今後とも自由民主党が先頭に立ち、国民的議論を更に高める中で、憲法改正に向けた歩みを一歩一歩着実に進めていく考えです。
 そして、憲法改正を私自身の手で成し遂げていくという考えには全く揺らぎはありません。しかし、同時に、改憲のスケジュールについては、期限ありきではありません。まずは通常国会の憲法審査会の場において、与野党の枠を越えて、活発な議論を通じて、国民投票法の改正はもとより、令和の時代にふさわしい憲法改正原案の策定を加速させたいと考えています。』

 ところで日本国憲法第九十九条は次のとおり定めている。
『天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。』

今さら言うまでもないが、今の時期きわめて重要な事柄と思われるのであえて指摘するが、安倍内閣総理大臣が日本国憲法第九十九条いわゆる憲法順守義務に違反していることは明白だろう。

仮に一般職の国家公務員や独立行政法人等の準公務員がこういう発言を公にした場合は、国家公務員法第八十二条『職員が、左の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。』の第二号『職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合』に該当して処分されるし、裁判官の場合は『裁判官弾劾法第二条(弾劾による罷免の事由)『弾劾により裁判官を罷免するのは、左の場合とする。』の第一号『職務上の義務に著しく違反し、又は職務を甚だしく怠つたとき。』によって罷免される。

特別職公務員である大臣や議員にはその種の具体的手続き規定(法律)が定められていないことを良いことに、日本国の最高法規たる憲法を蹂躙しても良いものだろうか。
それを許さないという良識は世論と選挙で実現するしかない。
現憲法を守らない人々に憲法改正をさせては絶対にいけない。

最後に、モラルも何もない安倍内閣は、8日午前の記者会見で菅義偉官房長官が「海上自衛隊の中東派遣について、現時点で派遣の方針に変更はない」と説明し、その一方で時事通信は、「1115日に予定していた安倍晋三首相の中東3カ国歴訪は延期」されたと報じている。
恥ずかしくなるほどの論理がめちゃくちゃである。

これは私の単なる推測だが、私は「安倍内閣は自衛隊員が死亡する事態を期待している」と想像している。
そうすれば、トランプに喜んでもらえる(顔向けというか言い訳ができる)し、国内の改憲から軍事国家化への世論を巻き起こすことができると考えていると推測している。
年初からこういう悪夢を文章にするのはつらいが、内外の情勢は正月気分を待っていてはくれない。

4 件のコメント:

  1. 憲法を守れない人に憲法を語って欲しくない!国民の改憲意識の高まりって何を根拠に?独りよがりの寝言でことを進める総理は、もはや総理とは認められない!!

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  2.  ケンタさんコメントありがとうございます。同感です。
     しかしこの総理は常識外の無茶をしますから、憲法改悪は常に注意しておかなければならないと思います。
     油断せず、憲法改悪反対!大臣や議員は憲法を守れ!の声を広げましょう。

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  3.  確かにこの総理は政治家というより「安倍家」のために政治という道具を使って個人的利益をむさぼっている利権屋に過ぎないのではないかと思っています。利益のためには「憲法」も売り渡し、自分の言ったことの尻拭いに公務員に公文書を偽造させ、挙句に自死にまで追い込むという人でなしです。
     安倍晋三・昭恵という二人に(安倍一族)引っかき回されているこの日本を救うために市民と野党の共同でたたかうしかないと思います。

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  4.  御意!
     ほんとうに”数合わせ”でなく広い市民と野党の共同・共闘が大切だから、私心なくそこを重視することが大切でしょう。
     同時に、その縁の下の力持ちの力にも更なる支持が集まるように努力と工夫が大切では。
     その工夫の重要なひとつは”メッセージの伝え方”だと私は思います。

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