2020年1月2日木曜日

元日から尻尾をまく

 15日からNHK BSプレミアムで全4話の、山田洋次監督「贋作(がんさく)男はつらいよ」が放送される。
寅さんを演じるのは桂雀々、さくらが常盤貴子、そして「くるまや」は石切劔箭神社の参道にある。

そんなもので元日、石切劔箭神社に初詣に行ってきた。
ご存知の方は知っているが?その参道は昭和30年代がタイムマシンから引っ張り出されたような雰囲気で、「きっとこの店が映るやろな」「この店がくるまやかな」などと妻と語りながら散歩を楽しんだ。

ただ年の始めから「元日午前中のこの時間ならまだほどほどの込み具合だろう」という私の勘(予想)は見事に外れ、参拝のためには写真に写っている何倍も(写真の手前はるか後ろの方に)ある行列の最後尾にお並びください」という有様で、俄か氏子は尻尾をまいて退散した。

孫の小学校には廊下の一部に『昔の道具』というようなものが展示されているが、参道の荒物屋にはそういう類の品物が現役の商品として並んでいた。
寅さんのような香具師の店ではない普通にほんとうの店でである。

   洗濯板、へちま、庭師の使う小さな竹箒、アルミ製の洗濯ばさみ、エトセトラ、すべて古物や骨董品ではない新品である。
   はてな?こういうものは何処で仕入れてきたんだろう。 
   私などの知らない流通の世界が現存しているのだろう。
   石切参道は謎だらけだ。

   なお参道では「ここの神社は何て読むんかな」という日本人の話声が聞こえてきた。確かに箭はあまりお目にかからない字だが、その後、道を案内した外国人はローマ字で読んだのだろう「ツルギヤジンジャデスネ」とスラスラと話が通じた。表意文字はつらいね

   最後に、ここの神社のご祭神は、饒速日尊(にぎはやひのみこと)と可美美真手命(うましまでのみこと)で、神話では初代天皇神武東征以前に天磐船(あまのいわふね)に乗って河内、大和に降臨していたというから語れば尽きない。話は尽きないのでそれはいずれ後日に。

  切に願う長蛇の先の初詣
   石切は「でんぼの神さん」と言われていたが、でんぼ=腫れ物=癌という方程式が広まっている。私は退散したが、長蛇の最後尾に並ぶ人々の祈りは切実なのだろう。

2 件のコメント:

  1. 8年程前に従妹が乳癌になり「でんぼの神さん」の石切さんでお守りをいただいてきた事がありました。今も再発もなく暮らしているのでお守りの御かげかなと思っています。
    今日、お帰り寅さんを見てきました。

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  2.  言い方はむつかしいですが、癌も日常の言葉になりました。そして、医学の進歩も目覚ましいところです。そういう意味ではいくらか言葉の持つ意味は軽くなっているように思います。
     しかしながら、老化と寿命は誰も避けられません。次の健康診断でどういう宣告があるかもしれません。そんな気持ちで一日一日を大事にして暮らしていこうと思います。
     寅さん、どうでしたか?

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