憲法改正のことである。このブログの7月1日の『改憲論議・半分青い』に書いたが友人たちの関心は薄かったように思う。
国会法第68条の3は次のとおりである。
国会法第68条の3 前条の憲法改正原案の発議に当たっては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとする。
で、発議を受けて憲法改正国民投票が行われるわけだが、『改正事項が複数ある場合、憲法改正案は内容において関連する事項ごとに提案され、それぞれの改正案ごとに一人一票を投じることになる。
投票用紙も憲法改正案ごとに調整され、投票の流れとしては、個別の憲法改正案ごとに投票用紙を受け取り、記入をし、投票箱に投函し、その後、次の憲法改正案の投票に移るという方法が想定されている。』(総務省HPから抜粋)
だから例えば、安倍発言以前に自民党が公式に発表した憲法改正案を成立させるためには、投票箱を百個ぐらい並べて、順番に投票用紙を貰って、百回ぐらい投票することになる。
だから改憲勢力が、国会で虚偽の多数を維持している間に国会法は変えられるに違いないという、物わかりのよい悲観論はとりあえず横に置いておいて・・・事実を知らずに議論するのは良くない。
ということで、安倍首相が憲法改正に前のめりになっているが、悔しいけれど国会内で絶対多数を握り、国民投票になると公選法適用外ということで湯水のようにCM漬けにし、テレビ等マスメディアを認可権等で脅迫し、・・残念ながらこれを阻止するのは難しいのではないかという悲観が庶民の中にないだろうか。
私があえてこんな堅苦しい記事を書いた理由はそこにある。
答は、その悲観は否(いな)である。
つまり、「9条に自衛隊を書いて、教育費を無償化して、合区を解消する憲法改正案」の国民投票はない訳であり、そんな場合であれば投票用紙と投票箱は三つあり、3回投票するのである。
つまりつまり、ここから先は7月1日に書いた木村草太氏から学んだ氏の見解を書く。
自民党が提案する9条と自衛隊明記は次の3案のいずれかになるだろう。
① 国際法上許される全ての武力行使を認め国防軍を創設する。
この案の支持者は少なく、可決は絶望的だろう。
② 個別的自衛権+集団的自衛権を容認する。
これは事実上強行した安保法制を国民投票にかけることになる。
③ 従来の「専守防衛」の個別的自衛権の自衛隊とする。
この案だと安保法制の違憲が明確になる。
以上のとおり、どの案も難題山積で、結局安倍政権なら、自衛隊の任務を曖昧にして発議して、可決後に「集団的自衛権も認められた」と国民を騙す、卑怯な手を使うだろう。
よってリベラルというか良識を大事にしたい国民は、漠然とした話の土俵に乗るのでなく、自民党の提案内容を徹底して国民レベルに明らかにすることが必要だ。
そして、もう一度「個別的自衛権」や危険な「集団的自衛権」を事実に即して理解し、発信することが大切だと私は思う。大いに反省している。
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