2017年6月24日土曜日

生ける化石

    風物詩という言葉は好きな言葉だ。
 この時期は、ホトトギスやホタルも好いが、田植えが終わった田圃のカブトエビも梅雨特有の詩情だと思う。

 カブトエビは見たところ5億年以上前の三葉虫とあまり変わらない。実際にそうらしい。
 1億9500万年~1億3600万年前のジュラ紀にはほとんど現在の形態に進化していた。2億年前の化石が出ている。
   同時期の恐竜は滅びたが、カブトエビは生き残り、今も生ける化石として愛されている。とりあえずすごいことではないだろうか。

 ジュラ紀からははるかに手前だが、人間が生み出した水田農業は爆発的に好環境を提供し今日に至っているのだろうと想像する。
 とすると、彼奴は人類の文明史をほゞ全編観察していたことになる。

 私は田圃のない都市に育ったから、彼奴を大和川の河口近くで見つけたのは高校生のときだった。
 「カブトガニの子どもだ」と誤解して興奮したのを今も覚えている。
 まあ、当たらずといえども遠からず(遠い?)だろう。

 フクシマ原発事故での土壌汚染やTPPを先取りした農薬による土壌汚染問題がある。
 現代人は、2億年間生き延びてきたカブトエビとその環境をジ エンドしかねない歴史年表のスリットに居る。
 それは文明のジ エンドに繋がるとどうして想像できないのだろうか。

    弥生から梅雨空見ていた兜蝦

2 件のコメント:

  1. 私も生きた化石発見と興奮したクチです。でも河内の田んぼにいたカブトエビはもっとすっきりした、正にカブトガニのミニチュアというもので写真の様な横に突き出た手や尻尾の付け根の盛り上がりなどありませんでした。明らかに違う種類のようです。

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  2.  wikipediaでは、関西にはアジアカブトエビとアメリカカブトエビがいるらしいのですが、その違いを私は知りません。
     進化論でいえば生物として進化の極に達したことになるのでしょうが、となると、進化とは何ぞや!と考えたくなります。

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