2017年6月23日金曜日

豊洲の闇

   23日告示、7月2日投票の東京都議選が始まる(った。)
 小池都知事は自民党からの「決められない都知事」という攻撃をかわすためか、20日に、●市場を豊洲に移転する。●築地は売却せず5年間で整備し希望者は戻す。という方針を表明した。
 「築地売却せず」案を評価する向きもあるが、私は5年先の姿に半信半疑である。
 何よりも、6千億円という整備費でも無害化に失敗した豊洲の無害化というのが信用できない。

 元東京ガスの労組役員だった佐野正之氏によれば、石炭乾留(密閉した炉内で石炭を約1000度に過熱し、揮発分と残留物に分ける)によってガスを取り出す「室炉(しつろ)」から出てくる石炭殻は大量の水で冷やされ、消火塔からはモクモクと水蒸気が立ち上り、その蒸気が炭の粉を含んだ水滴となって降り、それは「豊洲雨」と呼ばれていた。
 豊洲雨は1日当たり120回、365日、30(20?)年間降り続け、豊洲の地面にしみ込んでいた。
 けっこう雑に扱われていたタールなどの残留物には、ベンゼン、シアン、ヒ素、水銀、鉛、六価クロムなどの有害物も含まれていた。
 こんな土地であったから東京ガスは当初特に売ろうともしていなかったし、同様の工場のあった荒川区や大田区の跡地は汚染除去費が割に合わないので今も手放していない。
 佐野氏は東日本大震災の翌日に豊洲に行ったが、土砂や泥水が大きく噴き出していたという。

 このように、タダでも売れない土地を東京都が買ったのは、築地の土地を欲しがる黒い企みの為だけだったのだろうか。

 実は、1990年から新宿百人町周辺で都営住宅団地の建設計画が始まったが、その土地はサリンなどの旧陸軍毒ガス製造工場だった。なので、都は高度に汚染された土壌の排出先を探していた。
 そんな中、2001年1月に東京ガスは豊洲の汚染を公表、汚染処理を始めると、その2か月後、東京都卸売り審議会は急遽「豊洲移転」を答申した。
 森友や加計で見られたような水面下の巨大な闇取引を推測させる。
 結局、毒ガス工場の汚染土壌と東京ガスの汚染土壌を混合して「汚染処理?」をしたと考えるのが妥当である。
 その上に、本来盛土したといわれていた地下も盛土していなかった。
 これらの有毒物質は基本的にガスだから、コンクリートであっても小さな亀裂から漏れてくる。
 そういう場所に卸売市場を移転させるというのは金銭の問題ではないだろう。
 悪魔に魂を売った所業だと思う。

 独裁的な権力(石原)が暴走し、自公がそれを支え、マスコミがそれを持ち上げてきた結果がこれだ。
 都議会議員選挙であるから、いきおい生活に密着した政策に話題は集中しているかもしれないが、以上に書いたような深い闇を解明し、そのような巨悪が未来に向かって許されないような選挙になってほしいと心の底から思う。

    玉葱の味噌汁が好きと孫の言う

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