2016年1月9日土曜日

GDPの大いなる勘違い

  先日、BS日テレの『久米書店』にイギリス人アナリスト、デービット・アトキンソン氏が出ていて、人口を計算外にしたGDP論はナンセンスだと言っていた。なるほど日本は結構人口大国である。
 また、戦前のGDPの水準からも決定的に崩壊した終戦直後を起点にして経済成長を論じるのも同様だと。
 一言でいえば世界第2位(今は3位)の経済大国とか経済成長率というのは・・そんなものは・・意味がないと。
 そういえば、かつて、マルクス経済学者故辻岡靖仁氏が戦後人口の急増が経済成長を演出したと言っていたなと思い出した。
 そう、なんとなく日本は世界に類を見ない経済成長を達成して経済大国になったという神話を、私たちは誇らしく?信じすぎてきたようだ。
 アトキンソン氏は、日本の国民一人当たりのGDPは先進国中最低だと指摘していた。

 確かに、内閣府が12月25日に発表した2014年国民経済計算確報によると、国民一人当たり名目国内総生産(GDP)はOECD34か国中20位で、その数字は民主党政権時から2割以上落ち込み過去最低だと井上伸氏は指摘している。
 それでもアベノミクスを評価し内閣支持率が一定程度あるのは全く持ってマスコミのせいだろう。

 私たち(多くの国民)は、先進国中最後尾の経済状況で、かつ、さらに低下しつつあり、さらに加えて格差拡大で下流国民へと捨てられていっているにもかかわらず、我が国は経済大国だと信じ込み、そんな無策で棄民政策の政府を一定支持し続けているのである。
 これはマインドコントロール、催眠状態でしかないように思う。
 多国籍企業となった大企業本位の経済政策をすすめれば、いつかは「おこぼれ」が庶民に滴り落ちてくるという神話(アベノミクス)をいつまで信じれば気が済むのだろう。

 応能負担原則に立って、儲かっているものが税金を負担して庶民の暮らしと福祉を充実させ、その購買力で日本列島内の経済を循環させるという当たり前の原則でこの国を立て直したいものである。
 社会保障充実のために消費税が導入されたと未だ信じろというのだろうか。

1 件のコメント:

  1.  関口知宏の「鉄道の旅」でオランダが出ていたが、普通の駅の美しさ、改札システムの新しさ、そして普通の車両の日本でいえば特急車両以上の立派さに驚いた。「日本と日本人は素晴らしい」という感じの番組が多いが、そんな洗脳のシャワーを信じているうちに、安倍政権は独裁的後進国へ我々を乗せて走っている。

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