2016年1月7日木曜日

抑止力って?

  北朝鮮が水爆実験を行ったと発表した。
 爆発規模が小さいので誇張があるという報道もあるが、大筋のところはほんとうだろう。
 狂気の沙汰だと思うし、許すべからざることだと考える。

 同時にこれは、安倍首相らが唱えてきた強い軍事力が抑止力になるという呪文が全く意味のないものだったことを示している。
 究極の軍事力による抑止力というなら、特殊部隊が彼の国の首脳陣を根こそぎ暗殺するか、一般国民もろとも大量殺人するしかなく、それをロシアンルーレットのように度胸試しするしかない。
 その途中で誰かの頭がプチンと切れたら日本列島全体の被爆を覚悟しなければならない。日本海側に多数の原発を並べた国が何を寝ぼけているのだろう。

 ただ、こういう場合に為政者やマスコミが恐怖感や危機意識を情緒的に声高に叫ぶなら国民が熱狂する恐れがある。9.11後のアメリカがそうだった。
 強がりをいう者こそ怖がりだというのが真理だが、人はシバシバ強い言葉に逃げて自分を正当化しようとする。
 安倍内閣の外交無策を指摘しながら、外交こそが平和を作るという王道について語り続けたい。
 弱そうに見える言葉がほんとうは一番強い。

 因みに、世の中の出来事は冷静に検討しなければならないという証拠を二つ。
 ひとつは、2008年9月、防衛省が足摺岬沖で国籍不明の潜水艦が領海侵犯したと大きく発表。軍事アナリスト小川和久氏は中国海軍の潜水艦に違いないと。しかし1週間後それは鯨を誤認したものと小さく訂正された。
 ふたつは、1994年にクリントン大統領が北朝鮮空爆を一旦決定。そのときの統合参謀本部のシュミレーションは、開戦90日間で52,000人の米軍が被害を受ける。韓国軍は490,000人が死亡。在日米軍と在韓米軍62,000人の約8割に被害。米国人80,000人~100,000人を含む民間人1,000,000人が死亡するというものだった。

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