2025年12月30日火曜日

食の国粋主義

    27日頃からスーパーの食料品売り場はお正月用品一色といった様子になった。 
 その中でもタラバガニの巨大な脚は、見ているだけでも圧倒されるほど立派なものだったが、プーチンのウクライナ侵略を思うと意地でもロシア産は買う気になれなかった。正確には懐事情も許されなかった。
 全般に私は食べ物に関しては少しばかりは国粋主義者である。

 さて先日、いつもとは異なるスーパーに行ったところ、国産なら4,000円はするような大きくて質も悪くなさそうな中国産ウナギのかば焼きが、1,000円弱で並んでいた。
 習近平の強権的な政治姿勢も好きではないし、何しろその国の安全基準には種々疑問を持っているが、わが夫婦は歳も歳だしとか考えて購入し、料理酒で蒸しあげて「まむし」にして堪能した。
 そんなエセ国粋主義者の「まむし」の一件を妻が娘に話したところ、実はその店のそれを娘も買ったという。この親にしてこの児あり。
 エセ国粋主義の標榜はガタガタと崩れて新年を迎えようとしている。

2025年12月29日月曜日

米の州兵

米国の州兵は、通常時には州知事の指揮下で暴動鎮圧や災害救援などにあたるが、戦時体制においては大統領・連邦政府の指揮下に入るという。
 それが、1973年に総戦力方針が採択されて後は、連邦軍に見劣りしないほどの人員装備を擁するようになっている。
他国でいえば一国の軍隊以上の暴力(実力)装置で、トランプ帝国の私兵、特高警察のような役割を与えられている。
 事実、202116日に起きた連邦議会議事堂襲撃事件では、113日に下院で、この事件などを原因としたトランプ大統領の弾劾訴追を審議していた最中には約6000人の州兵がワシントンD.C.に展開され、一部の州兵が議事堂内で警備のために夜を明かし、これは南北戦争以来約150年ぶりの出来事であった。
 さらに2025年、トランプ大統領は、治安対策としてワシントンD.C、オレゴン州、カリフォルニア州ロサンゼルス、イリノイ州シカゴなどに州兵の投入を開始したが、その多くは民主党の地盤である。最近ではルイジアナ州ニューオリンズへの派遣も決定した。
 ただ米最高裁は保守派判事も含め、提訴のあったシカゴへの派遣に一時差し止めを決定した。
 ‥というように、中ロなどの強権政治も酷いが、トランプのアメリカも人権が軽んじられている。
 州知事や地裁~司法とトランプの激しい対立は注目しておきたい。

2025年12月28日日曜日

箸紙をつくる

    毎年お正月の祝箸用の箸紙は自作している。
 普通販売されているものは関東式の上から下へ向いているものだし、大量生産の商業主義に首を垂れるのもいささか面白くないからだ。
 今年はある意味シンプルに、メーンは自作の駄句にした。
   北風に抗せよ蝋梅の香の意気地
 この季節、庭には蝋梅が咲くが、何とも言えない芳香で、淑気を感じる。その香りや、果ては花さえも吹き飛ばすような寒風がしばしばあるが、蝋梅よ、寒風に抗って(あらがって)咲き続け、香り続けよ!という気持ちだ。
 同時に、子や孫にも、これからもしばしば北風の吹くことがあるだろう。そんなとき、厳寒に咲く蝋梅を思い出して、風に逃げずに抗ってほしい。そんな意気地で生きてほしいという気持ちも込めている。
 みんなの名前を入れて作成した。
 しかし毎年、誰からも「今年の箸紙は好いですね」などと言われたことはない。

ロブスターは泣いている?

    イギリス政府は22日、「動物愛護に関する戦略」を策定した。以前に書いたことのある「動物福祉論」と同主旨であろう。
 食材とされている動物にも「虐待は許されない」というもので、同「戦略」では「動物は感覚を持ち、痛みや恐怖、楽しみ、喜びを感じることができる」と明記された。

 お正月を目前にした新聞には「〇〇カニ 〇㎏ 〇〇円」との広告がデカデカと踊っている国の皆さん。そのカニ食べてもいいですか?
 今現在も、同主旨でスイスなどでは生きたロブスターを茹でることは禁じられているらしいが、イギリスでも、ロブスターやカニ、エビ、イカ、タコを生きたまま茹でるのは許されなくなるようだ。貝類なども含め、電気ショックや冷凍で気絶させてから茹でろというらしい。
 それらの考え方に全く”聞く耳持たぬ” つもりはないが、どうもねえ。
 世界では哲学論争が必要な時代に入ってきている。

2025年12月27日土曜日

小掃除とシジュウカラ

    年末だからといって昔のような大掃除をする必要もないが、小掃除ぐらいは・・・ 
 そこでネット通販でコンパクトなブロワーを購入した。
 落ち葉を吹き飛ばす箒がわりのものだが、バッテリー式なもので作業可能時間が限られているのが難点だが、箒と塵取りに比べて腰への負担が格段に解消された点がよい。

 先日友人のひげ親父さんから「そんなに鳥を見ているなら長谷やん版のシジュウカラ語辞典を作ったら?」とコメントがあったが、写真の向かって右に写っているのがシジュウカラ、ヤマガラ用のバードテーブル。小粒ヒマワリの種を入れている。
 この作業中もシジュウカラが近くまでやって来て「私の食堂だから早く作業を終わって!」とジャージャー鳴いてきた。
 シジュカラの「ジャージャー」は「餌が入ったぞ(あるぞ)」という呼びかけで、集団で食べる方がカラスなどの危険を早くキャッチできるからというのが今話題のシジュウカラ語の話のようだ。

ウソっぽい労使自治論

    労働基準法の骨抜きが企てられている。 
 労働基準法は憲法に基づいて罰則付きで労働条件の最低基準を定め、仮に労使が合意してもその基準を下回ってはならないものだ。
 なぜ民法の「契約の自由」原則を乗り越えているかといえば、本来的に労使は平等ではなく、雇用・賃金を止められると労働者とその家族は生きていけないからである。
 こういう労働法の基本性格を理解せず、否、知らんふりをして、「労使のコミュニケーション」という一見もっともらしい修飾語で労働基準法の骨抜きが企てられている。
 私自身、一時期、名ばかり管理職のような仕事についていたことがあるが、そこには労働組合はなく、就業規則などの変更に際しては親睦会の代表が「労働者代表」として署名していた。
 さて我が国の2025年の労働組合の組織率は16%(労働組合基礎調査)と報じられている。
 その16%には社会用語でいう御用組合も多数含まれている。そういう下で使用者側から労使自治論、「労働者も納得しているのだから最低基準を下回ってもいいじゃないか」、「労働時間でいうと過労死ラインを越えて時間外労働を命じてもいいじゃないか」論がホンキで持ち出されているのだ。
 首相が「働いて、働いての✖5」を唱え、メディアがあまり追及しない今、労働基準法改悪問題は注視していかなければならない。

2025年12月26日金曜日

ほゞ仕事納め

    年内に仕上げなければならない仕事のひとつが昨日ヤマを越した。わが会の会報の新年号の発送が無事完了した。
 今回は編集の主担が交代してのことだったこともあり、新主担には文章にならないぐらいの苦労をしていただいた。心から感謝!
 中島みゆきの 〽ファイトだ。 申し訳ない。
 年が明ければ春の諸行事の具体化が待ったなし!
 ハイキング部も町歩き部も、年末年始にビッグプランを暖めていただこう。

 さて今号の川柳で私なりの一席は・・空水さんの・・
 「思い出が終活整理の邪魔をする」だ。
 終活とは、そんなことをパーッと乗り越えて・・とは誰もが解っているのだが、それにけつまずくのがまた人間。
 ヒロさん、「私事多忙川柳ひねる暇もなし」・・わかるわかる。でもそこを何とか。
 と、来年も頑張りましょう。

2025年12月25日木曜日

核保有論に欠けている現実

    元日刊ゲンダイの山田 勝仁氏のFBにナルホドと思う指摘があった。
 「日本も核保有すべし」というアドバルーンに熱狂する高市支持者たちに「核兵器を開発するには核実験が必要不可欠だがどこで核実験やるんだ!」という指摘・・・ナルホド

 地下核実験に必要とされる条件は・・
非常に厚く均質な岩盤
断層活動が極めて少ない
地震がほとんど起きない
地下水の流動が少ない
 しかし、日本列島は4つのプレートが衝突する世界有数の変動帯で、活断層が全国に分布し、火山帯が縦断し、地震活動が常時発生する地震国。
 核実験で生じた放射性物質封じ込めが地質学的に成立しない。
 致命的なのは地下水の問題。
 日本の地下水の特徴として・・
降水量が多い。
山地が多く、地下水が高速で移動する。
多くの地域で、生活用水、農業用水、工業用水が地下水に依存している。
 そのため、地下核実験で生じる核分裂生成物(トリチウム、セシウム、ストロンチウム等)が地下水に溶出する。
 日本では地下水が閉じた系ではなく、必ず河川・海へ流出する。一度汚染されると回収は不可能。
 つまり、核実験を行う一部の地域だけの問題ではないのだ。
 他国の地下核実験との決定的な違いは過去に地下核実験を行った国々は、
乾燥地帯
地下水が非常に深い、またはほぼ存在しない
人口密度が極端に低い
安定した古い大陸地殻
という条件を持っている。北朝鮮も大陸国。
 つまり、日本は地質学的に「核実験に最も不向きな国なのだ。
 特に地下水汚染は「地下核実験場」という局地的な問題ではなく、国家全体・海洋全体の問題になる。
 核実験をやったら日本では地下水を通じて米も野菜も放射能汚染されてしまう。
 科学的には日本には核実験場はまったく存在しえない。
 日本も「核保有」というのはバカも休み休み言えという話だ・・・と氏はいう。ナルホド

 大陸地殻の国なら核実験をやっても問題ないわけでもないが、的を射た指摘だと思う。
 地震でいえば、世界の大地震の地図を見れば、日本とチリが両横綱であることは一目瞭然。原発も含めて、自然科学の議論がもっと深められる方がよくないか。

2025年12月24日水曜日

悟空は誰かの掌で

    孫悟空は自分の力で地の果てまで飛んだつもりだったが、実はそこはお釈迦様の掌の中だったという話があるが、「世の中のニュースはスマホでみんな知っている」というどこかの国民も悟空と似ているかもしれない。
 フェイスブックなどに勝手に入ってくるものに、「日本(人)を知らずに馬鹿にしていた外国人が、こんな事実を知って驚いた。日本(人)に感動した」というパターンの一見ドキュメンタリーみたいな短い動画が数多い。
 上手くつくられているので、へ~そうだったのか!と思ったり、日本人として少々感動ものもある。ただ、ストーリーの基本は何となく似ていて、結局、ニッポン(人)エライ! 某国(人)はオチル! のパターンである。
 それにしてもこんな動画を数多くよく作るものだと感心していたが、先日、求人広告のようなものがスマホにあり、「日本称賛や中国批判の台本に従って、中国人の迷惑行為やマナー違反などの動画作成をすれば1本何千円」というもので驚いた。
 ほんとうの黒幕は知らないが、ダブルレインボー社が大手求人サイト・クラウドワークスに依頼したものだと新聞にあった。
 結局、誰かの仕掛けで「中国批判キャンペーンが面白おかしくSNSで拡散」され、それをテレビが「今SNSでこんな話題が盛り上がっています」ととりあげると、悟空でなくても「少しはそんなこともあるかも」ぐらいの影響は受けないか。
 世論調査の報道などを見ながら、少し恐ろしい世の中になってきた感じがする。

2025年12月23日火曜日

僕らの工作

    「折りたたみ式の物干し」を使って小物の洗濯物をベランダで干している。
 小物であるし風で飛ばされることもあるから要所要所は洗濯ばさみで留めている。
 その洗濯ばさみだが、作業のためにはこの物干しに常備しておきたいが、この本体に挟んでおくと作業面よりも下にぶら下がるので作業がけっこう面倒だった。
 そこで写真では少し判り辛いが、作業面の上方に洗濯ばさみ付けを作ってみた。
 結果論でいえば「な~んだそんなことか」というものだが、できるだけシンプルなものにしたから出来栄えは悪くない。
 材料は、以前に何かを捨てる際にとってあったもの。そんな際、妻は常に「またそんなものを保管して」と不機嫌になるのだが、そんな原材料のようなものをストックしてあるからこそ思いついたときにこのように改良できる。
 で、その際の不機嫌を忘れて「これは使い易い」と感謝されている。

2025年12月22日月曜日

黄経270度

    冬至は太陽が黄経270度を通過した瞬間を含む日で、今年は今日12月22日だ。
 だから北半球では日中が一番短くなる日であるが、そのことから「日の出が一番遅い日で日の入りが一番早い日」と思うのは誤解で、日の出が一番遅くなるのは冬至の十数日ぐらいあとで、日の入りが一番早くなるのは冬至の十数日ぐらい前である。
 その理由は地球の軌道が楕円であることと自転軸が傾いていることによる。らしい・・
 義母がよく「冬至十日もすりゃアホでもわかる」という俗諺を言っていたが、1月も七草がゆの頃になると、日の入りも底を打ってから2~30日も経つから、ほんとうに「日脚が伸びたな~」と感じるので、学校では教わらない俗諺(ぞくげん)も近代天文学並にエライ。
 俗諺のついでに俗例を探すと、冬至には「と」の字のつくものを食べれば薬になるという話が昭和4年発行の本にある。豆腐、蕗の薹、唐辛子などらしい。その本では「柚子湯」の理屈はわからないとあったが、どこかで冬至=湯治とかけたのでないかということを読んだ気がするから、そうすればなんとなく符丁が合う。

2025年12月21日日曜日

近鉄の踏切事故

    12月20日に近鉄京都線新祝園駅近くの狛田7号踏切で、特急電車と軽乗用車の衝突事故があり、軽乗用車の運転者が亡くなった。 
 報道の限りでは、この事故の直接の原因ではないようだが、この辺りの道路と踏切は「欠陥商品」ではないかと思われるほど危険な箇所だということを、この際述べておきたい。
 当該軽乗用車のように東から西へ自動車が走行する際、西の方からいうと、まず相当な交通量がある京都府道八幡木津線の信号機のある消防本部前交差点があるが、その手前ほんの数メートルのところにJR学研都市線の踏切がある。
 だから踏切を通過したところで前方の信号が変わると、下手をすると踏切に取り残される。
 その踏切の手前には50メートル強ぐらい(乗用車6~7台?)で近鉄の踏切がある。
 だから、前のクルマが動くだろうと見込んで動いたりすると、先の信号が赤になったり、先のJRの踏切が赤になったりして、自分は手前の近鉄の踏切内で動けなくなる。
 この辺りでは、府道の交差点とJRの踏切と近鉄の踏切の間がもっと短い場所もある。
 私の場合は京都府道八幡木津線を南北に走ることがほとんどだが、右左折したり、あるいは信号のないところで2つの踏切を超えて府道に入るのは怖いと感じている。
 報道の限りでは、この事故の直接の原因ではないようだが、これを機に鉄道の高架化など抜本的な安全対策を自治体もJRも近鉄も検討してほしいものだ。
 写真はネット上にあったものだ。

メリークリスマス

    ファミリーのクリスマスパーティーを開いた。
 
 孫の凜ちゃんは写真の鏡開きをしてくれた。
 孫の夏ちゃんはクリスマスソングを夏ちゃんファミリーで合奏してくれた。
 祖父ちゃん祖母ちゃんはカズーで参加した。
 気のおけないホームパーティー。こんな嬉しいことはない。
 記録のために書いておけば、妻が炊飯器で赤飯を炊いたが、満点の出来だった。
 うるち米ともち米を半々で炊いたが、色も綺麗な赤飯になったし、小豆も割れず、商店のそれよりも上手くできた。
 だが夏ちゃんは「米よりもパスタやパンが好きだ」という。むむむむ・・。
 まあ今日は西洋のお祭りだからそれもよし。KFCバンザイ。

2025年12月20日土曜日

Das Kapital

    日本の政治状況から世界を見ていると、朝ドラの主題歌ではないが、〽日に日に世界が悪くなる 気のせいかそうじゃない ——ような気分に捉われそうになるが、11月に行われたニューヨーク市長選挙ではトランプの数々の「口撃」にも拘らず DSA(民主的社会主義)の候補であったゾーラン・マムダニ氏が当選し、12月9日には、トランプのおひざ元フロリダ州マイアミ市長選挙でも約30年ぶりに民主党アイリーン・ヒギンス氏が勝利した。
 ニューヨーク市長選挙後に、シカゴにある保守系シンクタンク「ハートランド研究所」が行った世論調査では、「若者の52%が2028年の大統領選挙では民主的社会主義に投票する」と答え、同研究所は「懸念する結果だ」(笑)とコメントした。
 このようなアメリカ「帝国」の心臓部で起こっている激動を見過ごさないよう、感覚を研ぎ澄まし、勉強を深める必要がある。・・・というようなことを反省する日々である。

 さてKマルクスは資本論執筆中に亡くなり、残された原稿からエンゲルスが刊行したものだが、それでも多くの『草稿』が残されていた。それらの草稿が21世紀の今日、日本語で整理されて読むことができるようになった。そしてそこには時代を超えて、未来社会とそこへ向かうプロセスが展望されていた。・・・年末に向けての楽しい宿題だ。
 「古典だ」などと馬鹿にしてはいけない。

2025年12月19日金曜日

賀状書く

    賀状書く今年は何枚減ったやら

 「賀状書く」は冬の季語である。
 また「年用意」という季語もある。
 そんな行事を重ねていくと知らない間に歳をとって「おめでとう」となる・・はず。
 わがファミリーではその前にクリスマスパーティーがある。大層な準備はしないが鏡開きの仕掛けだけは済ませておいた。
 翻って見ると毎日が敬老の日のようだ。
 年賀状は投函した。
 写真はマユミの花。

2025年12月18日木曜日

発芽

    つい先日、残っていた花の種を処分のつもりで適当に蒔いたところ、この寒風下発芽した。日当たりも土壌も悪くどう考えても発芽の条件を欠いていたが、どこにも「ド根性」はいるものだ。
 うららかな春は きびしい冬のあとから来る かわいいフキノトウは 霜の下で用意された ・・・という宮本百合子の言葉を思い出す。 何かわからぬが、春が楽しみだ。

2025年12月17日水曜日

雙魚封完

    古い漢詩に『飮馬長城窟行』という「万里の長城の、馬に水を飲ませる泉窟まで遠征した夫を想う妻を描いたもの」があり、
 その中に「客從遠方來 遺我雙鯉魚※ 呼兒烹鯉 魚 中有尺素書 長跪讀素書 書中竟何如」(ある日、客人が遠方からやって来て、二匹の鯉を下さった。(子供を呼んでこの鯉を煮て調理したところ、中に一尺の絹布で出来た手紙があり、夫からの妻や家族を想う気持ちが綴られていた)というくだりがあった。

 この※双鯉魚(雙鯉魚)(そうりぎょ)とは二匹の鯉のことで、このことから手紙の別名を「双鯉(雙鯉)(そうり)」、または「双魚(雙魚)(そうぎょ)」という——以上はコピペみたいなもの。

 年賀状作成の時期になったので、そんなことを思い出しながら年賀状の末尾に「雙魚封簡」の印を押印した。「心を込めてこの文をお送りします」という気持ちだ。
 筆不精ということもあって年に一度の便りだが、それぞれの宛名を見ながら「彼(女)はどうしているだろうか?」「彼(女)は版画だったな!」「イラスト!」「写真のコラージュ!」「文芸作品!」「撮り鉄!」「所信表明!」などと、それぞれのこれまでの年賀状の特徴を思い浮かべたりした。こういう時間も決して悪くない。

2025年12月16日火曜日

鳥見日和

    一般的には人間がやたらと自然界に手を突っ込むのはよくないといわれるが、冬は野鳥の餌(えさ)も乏しくなるので、バードテーブル(えさ台)を置くことが「過剰な介入にはならない」と本にあった。
 だからというわけではないが、ヒマワリの種を置いている。
 写真は上がヤマガラ、下がシジュウカラ。この種類はカール(圏谷)のように滑空してやってくるから、見ていてもなかなか爽快だ。
 どういうわけか彼らよりも一回り大きなスズメが彼らを追い出してテーブルを占拠しようとするが、それに対して彼らは戦おうとするのでなく、スズメのちょっとよそ見をする瞬間にやって来てヒマワリの種を取っていく。その攻防も見ていて飽きない。
 ここにはメジロやジョウビタキも「何かありそうな」とやってくる。
 ガラス戸越しにそんなのを見ていると、自分も歳がいったと思ったりする。如何にも御隠居さんの感想だ。

2025年12月15日月曜日

ゼネコンが逃げた

 夢洲カジノの工事から某ゼネコンが逃げた。
それでも進む破滅への道。
結局MGMチャイナ(マカオ)を応援する維新や自民のあきれた精神。
時間があれば少し聞いてみる価値がある。
あきれ返って笑ううちに怖くなる。



2025年12月14日日曜日

続明日香の天皇陵古墳

    12日に明日香の古墳についての小笠原好彦先生の講義内容の結論だけを書いたが、私自身十分消化しきれていない点が2か所ある。高松塚古墳と束明神古墳である。

 その1 高松塚古墳の被葬者は忍壁(刑部)皇子だと推定されるということについてである。
 壁画の男子群像の一人は(主人のために)葢(きぬがさ)をさしている。葢は深い緑色で太い緑色の組紐の房が垂れているが、時代は下るが養老律令の儀制令ではこれは一位の官人に相当し、親王は紫である。藤原京の後期と推定される築造時期にこの養老令の考え方ができていたかどうか、あるいは劣化していた壁画の作成時の色がほんとうに緑色であったかどうかという不明点があるが、養老元年(717年)に亡くなった左大臣石上(いそのかみ)朝臣麻呂(まろ)は従一位を追贈されている。
 石上麻呂は、710年平城京遷都の際は旧都の留守役と、藤原不比等らによって事実上干されたため、物部一族が薄葬令下で最高の古墳を造ったのではないかとの考えもできる。ただ、いくら従一位追贈といえども明日香檜隈の地に官人が墓を造れただろうかとの疑問もある。

 その2 束明神古墳の被葬者は草壁皇子だという点についてである。
 古墳の築造時期、そして残っていた歯から青年から壮年にかかることが判っていることから、珍しく非常に多くの支持を得ている説である。
 私の疑問点は、持統によって、実力者大津皇子を殺してまでの次期天皇の本命中の本命草壁皇子(岡宮天皇と没後追尊)なら、どうして明日香檜隈のど真ん中(藤原京の中軸線)でなく、遠くはないとはいうものの、明日香とさえ言い難い佐田の地に葬られたのかという点だが、小笠原先生もその点は「持統の怒りを買ったことがあったのであろう」と想像されている。
 図書館にて『懐風藻』を読んでも明らかに大津皇子よりは見劣りのする凡庸な皇子であったようだが、岡宮天皇と没後追尊されるぐらいの皇子にしては立地条件が低すぎる。
 
 これらのことについて、大方のご意見を賜りたい。

2025年12月13日土曜日

トンビ

    我が母校である小学校は海に近かったから鳶(トビ・トンビ)は何も珍しくなかった。
 
 「樽のようなものに魚を入れて置いておくとトンビが捕りに降りてくるが、いざ獲物を咥えて逃げようとすると樽の中では羽を広げられないので飛び立てないから、トンビは簡単に捕まえられる」とみんな?言っていたが、実際に獲ったのを見たことはなかった。都市伝説?
 そのうちにわが街の海ははるか沖合まで埋め立てられコンビナートになったから、そんな方法でトンビを獲ることができるのかどうかの真偽は不明のままである。
 寅さんの映画の旅先にはよくトンビがピーヒョロヒョロと飛んでいて、ニッポンの田舎の原風景のヒトコマだが、そういえばもう長い間見た記憶がない。

 つい先日のBSの「こころ旅」を見ていたら、滋賀県東近江市の田圃でトラクターのうしろに無数のトンビが群がっていたがこういう光景は初めて見た。
 わが家周辺では、シラサギやキジが同じようにトラクターの後についていくが、さすが琵琶湖は「ウミ」である。

 明治生まれの私の父などは当然トンビというコートを持っていたが、もうそんな風景を覚えている人も少なくなった。

2025年12月12日金曜日

明日香の天皇陵古墳について

    飛鳥の古墳について講義を受けた。後日の自分の記憶のために小笠原先生の結論だけをメモっておく。
 1 明日香は基本的に蘇我氏の土地であった(配下の東漢氏を含む)。故に大王(天皇)といえども他人の土地に墓は造れなかった。
 2 藤原京築造のデザインの時代以降は中国の思想に学んで、京内に墓は造れなかった。
 3 終末期の大王(天皇)陵は、主に河内の磯長等であった。
 4 明日香には、一時、舒明や推古の陵が築造されたが、蘇我入鹿は後に明日香の外へ改葬した。
 5 天武は東漢氏を強く叱責したが、後に東漢氏を率先して連にした。この過程で東漢氏の土地である明日香の檜隈が天武に献上されたと考えられる。以降、明日香(檜隈)に天皇陵の土地が寄贈された。例天武・持統合葬墓。
    6 明日香村川原にある終末期古墳小山田古墳は、後に桜井市忍坂に改葬された舒明陵である。
 7 五条野にある植山古墳は、後に河内の磯長の山田陵に改葬された推古・竹田皇子の陵である。
 8 高松塚古墳は、天武の皇子(四男)の忍壁皇子の陵である。
 9 キトラ古墳は、弓削皇子(九男?)の陵である。
 10 中尾山古墳は、草壁の子の文武天皇陵である。
 11 伝文武陵は、近江朝大友皇子(天皇)の子であるが、草壁皇子擁立に功績のあった葛野王の陵である。
 12 マルコ山古墳は、天武の子の河島皇子の陵である。
 13 束明神は、天武の第二子で持統との間に生まれた草壁皇子の陵である。
 14 天武の長子の高市皇子の母は地方豪族の出自であるからとりあえず陵の論外となる。
 15 大津皇子は、持統の姉の大田皇女と天武の子であるが、謀反との事件で死を賜り二上山に葬られた。
 以上の結論がなぜそのように考えられるかについてはブログ容量が足りない。機会があれば個別に書いてみたいが今日はここまで。

2025年12月11日木曜日

ソグド人の後裔

    李白に『少年行』という漢詩がある。
   五陵年少金市東
   銀鞍白馬度春風
   落花踏盡遊何處
   笑入胡姫酒肆中
 ペルシャのホステスの酒場に入ったという楽しい?詩である。そう、私はペルシャのダンサーがいる店と理解していたが、最近ではペルシャダンサーとは限らないということになっている。胡姫の胡という文字のことである。

 さて、中央アジアのアム河とシル河に挟まれたオアシスに住んでいたイラン系の住民をソグド人という。白い肌、青や緑の眼、高い鼻、濃いひげ、栗色の巻き毛が特徴だった。
 紀元前2世紀後半にこの地を支配していたバクトリアが滅亡したころから、地の利を活かして交易に従事し、シルクロードにソグド人ネットワークを築いた。

    唐の時代、彼らは胡人と呼ばれていた。彼らが中国に持ち込んだものには胡という字が付けられた。胡瓜、胡麻、胡桃、胡椒、そして胡坐。
 鑑真と一緒に海を越えてきた唐招提寺の4代目住職・安如宝もソグド人といわれているし、東大寺に伝わる写真の酔胡王の伎楽面も間違いなくそうだ。

 紀元前後から約1000年中央アジアの交易の主人公?であったソグド人」、シルクロードの共通語はソグド語、だが、・・・今はほとんどその姿を見ることができない。
 その末裔がタジキスタンのヤグノブ渓谷にいた。 
 白石あづささんが彼らと会った話(中央アジア紀行)を感動をもって読んだ。
 そして思った。この国の文化の土台をつくったのは紛れもなく渡来人である。
 厳然たるそういう事実を知らずに「ニッポン人エライ」と叫ぶ排外主義者の教養の低さよ。
 そしてその文化なるものは、中華や韓半島を経てきたものではあるが、その源流には大きな遊牧民の文化があったことを思う必要がある。眼(まなこ)の鱗を取ると歴史は深く面白い。
 (2枚目の写真は河島英五が壁に書いたもの)

2025年12月10日水曜日

大地震のたびに思うこと

    日本列島は地震の巣の上にある。2011年~2020年の統計では、マグニチュード6.0以上の地震は、全世界の17.9%が日本周辺で発生している。
 地震そのものも怖いが津波も怖い。福島第1原発の原発事故は津波で起こった。
 一昨日8日深夜の地震は、大間原発、原子力船関連施設、使用済核燃料中間貯蔵施設、東通原発、原子燃料サイクル施設の近辺で起こっている。
 掲載した図のとおり目の前に震源地はある。
 それでも原発再稼働、核廃棄物廃棄施設、その上に軍拡と参戦(という首相答弁)・・・? 気は確かだろうか。

 12月6日の記事の一部を繰り返す。
 🔳 臨済宗妙心寺派管長河野太通老師は次のように語られている。
 『戦争や原発事故が起こって初めて罪が発生するのではない。戦争前、事故前の平和な時に何もしないこと、無関心でいることは、罪を犯しつつあることなのです』🔳
 ・・・胸に手をあてている。

2025年12月9日火曜日

加藤九祚(かとうきゅうぞう)氏

    白石あづさ著『中央アジア紀行』を読んでいて、次のところでフト読むのが止まった。
 🔳 ウズベキスタンのガイド・サクラさん(日本留学中のあだ名)曰く「日本の考古学者の加藤九祚(かとうきゅうぞう)先生。ウズベキスタンでは有名人です。30年以上この国で仏教遺跡を発掘し続けた方で、2016年に中央アジア最大級の仏教寺院カラテパ発掘中に倒れ、テリメズの病院で94歳で亡くなりました。考古学者が少ない我が国で貴重な歴史を掘り起こしてくれた恩人です。」(白石さんは)初めて聞いた名前だった。紀元前から3世紀の仏教寺院をいくつも発見しただけでなく、加藤さんはテルメズの貧しい人たちを雇って発掘の日当を払い、博物館も私費で建設した。🔳
 考古学に強い奈良大学、帝塚山大学、天理大学や国立奈良文化財研究所などが集まっている奈良の地では、あちこちでいろんな発掘調査報告会が開かれるが、その報告の中で、先人加藤九祚氏の話は私のような者さえ度々耳にしていた。そんな先人の名が飛び込んできたので少し感激した。
 加藤九祚氏は2016年中央アジアでなくなったが、日本国内であった氏の偲ぶ会の案内状には、加藤さんの人生を物語る次のような文章が記されていたとネットで知った。 
 労働者であり、学究であり、思索の人であり、行動の人であり、考察する人であり、文筆の人であり、大地を掘り下げる人であり、人間をこよなく愛する人であり、酒盃に詩の言葉を浮かべた人であり、ひたすら人びとに愛された人、加藤九祚はその日の到来を誰にも告げず、ひとり悠然ともう一つの新たな世界へと旅立った・・という。
  サクラさんの話といい、加藤九祚氏の話といい、友情に国境はないとつくづく思う。根拠もあやふやな話を膨らませて「外国人が鹿をいじめている」というような排外主義をあおる人、アッ、彼女も奈良の人? う~ん情けない。

2025年12月8日月曜日

高市氏へ4千万円

    千葉県市原市在住のデジタルクリエーター西沢昭裕氏のFBに次のような投稿を見つけた。

 🔳 自民党総裁選に8000万もつかって総理の座を射止めた高市氏。
 その高市氏に昨年度だけで計4000万円の巨額資金を提供していたのは、()ノブレスをはじめノブレスグループ(本社は奈良市東紀寺町)の総帥である川井徳子氏(67)だった。
 川井徳子氏は、【神奈我良=かむながら】という謎の宗教法人の代表でもある。(4000万円の内訳は24年度政治資金収支報告書によれば(宗教法人)神奈我良3000万、(株)ノブレス1000)
 この宗教法人は奈良市寺町26番地2に、【大和皇神殿=やまとすめらしんでん】という正体不明の神社をもつことで知られる。
 「姉のような存在」と高市氏が慕う川井徳子氏の父親は、奈良市長殴打事件で知られる政治結社大日本菊水会の初代会長だった川井春三氏だったこともK氏の調べでわかった。
 高市首相の思想的源流の一端や資金を提供しているタニマチの存在が明らかになったことをK氏はじめ探索されている諸氏の方々に感謝したい。🔳

 私は建国記念の日に橿原神宮に行ったことがあるが、右翼を自称する団体の街宣車が集結していて異様な雰囲気を感じたことを思い出す。
 あのような暴力的な社会を是とするかのような高市氏は、単に旧安倍派の支持を得るためにリップサービスをしているとは思えない。高市政権は実は非常に恐ろしい。

2025年12月7日日曜日

キルギス人は兄弟だ

    白石あづさ著『中央アジア紀行』を読んでいてクスッと笑った箇所がある。キルギスのことだ。こうあった。
 🔳キルギス人が日本人に会うと必ず話す伝説がある。それは「キルギス人と日本人はかつてシベリアで暮らしていた兄弟で、肉好きはキルギスへ、魚好きは日本に行った」🔳というもの。
 顔も似ているし、靴を脱いで家に上がり布団を敷いて寝る生活スタイルも同じだという。
 確かにロシアがらみのニュースなどで中央アジア各国首脳が映ると、アレレと思うこともある。日本人がいる⁉
 だいぶ以前の記憶だが、作家の椎名誠氏がテレビのドキュメンタリー番組か何かでシベリアに行ったときの映像がこんな感じだった。
 🔳 現地の人「どこから来た?」 椎名「日本からだ。東の海の向こうだ」 人「冗談だろ 隣の集落の者だろう」 椎名「いやほんとうに日本人だ」 人「またまたまた、近くの集落からだろう」 椎名「ほんとうに日本から来たんだ」 人「どこかで見たことがあるぞ、やっぱり近くの人だ」🔳・・・こんなやり取りが続いて、テレビの前で笑いながら、ロシア=ロシア人ばかりでなく、シベリアには多くの民族、アジア人がいるのだと再認識したことがあった。
 それはそうとキルギスってどのあたりの国かご存知?
 中国から天山山脈を越えてゆくシルクロードの近い国だが私は勉強不足でほとんど知らなかった。
 もしかしたら、ほんとうに兄弟だった?

2025年12月6日土曜日

イスラエルの原発から考える

    原子力百科事典(ATOMICA)によると、『イスラエルは国内にエネルギー資源が乏しく、石油輸入もアラブ諸国の多くと敵対しているため、潜在的に不安定であることからも、原子力発電導入に積極的であった。1984年から1985年にかけて、フランスとの間で原発導入について話し合いがもたれたが、主に資金的な問題により進展を見なかった。ただし、研究炉はソレク原子力研究センターとネゲブ原子力研究センターにある』ということらしい。
 つまり、核兵器を所有していることは世界では自明のこととされているが、日本のような大規模な原発は建設されていないようだ。

 さて、戦争であっても原発への攻撃はジュネーブ協定により禁止されているが、ウクライナのザポリージャ原発はロシアが攻撃をして占拠されたし、イスラエルはイランの原発にミサイルを撃ち込んだ。
 という世界の現実を見つめると、軍事大国イスラエルが本格的な原発を建設していない理由がはっきりする。原発は国の存亡を考えた場合危険極まりないのである。
 翻って日本では、原発再稼働が次々と進み、総理大臣が台湾有事の名の下に海外での紛争に参戦することを明言した。

 地震大国の島国に50基を超える原発を並べて軍備増強と海外参戦を口にする。この国はいつからこんな幼稚な国になったのだろうか。
 戦争と原発事故続きで話を進めるならば、臨済宗妙心寺派管長河野太通老師は次のように語られている。
 『戦争や原発事故が起こって初めて罪が発生するのではない。戦争前、事故前の平和な時に何もしないこと、無関心でいることは、罪を犯しつつあることなのです』

2025年12月5日金曜日

12月4日のテレビを視ていて

    長い間、ほんとうに何十年もの間も、朝は時計代わりにABCの「おはよう朝日です」をつけているが、だいぶ以前からニュースの解説の切れが鈍っていて面白くなくなっている。 
 つまり、政権が発表した説明のスピーカーに思えることが多い。
 12月4日の朝日新聞朝刊のトップ記事は、「旧姓の通称使用法制化へ」「首相私案軸に」「別姓導入機運失う恐れ」で、早い話が「選択的夫婦別姓制度導入潰し」の指摘があったが、テレビでは、「通称使用に法的根拠が出来てよい」とか「別姓では親と子の姓が異なって家族の一体感が喪失されるという意見もある」などと、政権にすり寄っているような解説が続いた。特にメーンのアナウンサー。

 これについては、「国際的に活動されている女性の学者や経営者からも切実な要求がある」「選択だから選択しない者には影響はない」「現にアイデンティティーを尊重したいという要求もある」という現実を顧みず、「虎に翼」で指摘があったような「結婚した女性は無能力者」とした家父長制を目指すものでよいのか」というまともな指摘がテレビからは聞こえなかった。
 そんな中、コメンテーターのレイナさんにアナウンサーが振ったところ、レイナさんは「うちは国際結婚ですから別姓です」と当然の回答。それならメーンアナ、それまでの解説の流れからすれば、「それは大変で子どもが可哀相ですね」と言ったらどうか?!!
 世界中で夫婦同姓を法律で縛っているのは日本だけだとか。
 世界中で家庭は壊れているのだろうか。
 この番組、近頃解説の切れが鈍っているというよりも、長いものに巻かれようとしていませんか? レイナさんは堂々としていた。

2025年12月4日木曜日

謎の円墳見学会

    奈良市の富雄丸山古墳見学会に参加した。
 時代は発掘された須恵器の年代測定等から4世紀後半、ということは百舌鳥古市古墳群築造の前夜。
 場所は後年の難波の津から大和に向かう暗峠(くらがりとうげ)越え奈良街道で奈良盆地に入ったところ。北東には遠くなく佐紀盾列古墳群があるので同古墳群の西の端と考える説※もある。
 日本最大級直径109mの円墳で前方後円墳ではない。
    近年墳頂部ではない「造出し(つくりだし)」部分から割竹形木棺、世界最大の蛇行剣(だこうけん)や前例が知られていないような鼉龍文盾形銅鏡(だりゅうもんたてがたどうきょう
)、さらに3面の銅鏡などが発見されている。
 墳頂から西を向くと生駒山(暗峠)、東を向くと若草山が望め、古墳の立地条件としては特等席に感じられる。
 造出し部分は形を留めていて、パンフレット等で見た出土品の出土状況がリアルなほどに想像できた。埴輪の破片や葺石も積み上げられていた。
    出土品の整理や墳丘の復元などが完成するのは10年以上先と思われるから、頭の中でバーチャルメガネのように組み立てておこう。

※ 「佐紀盾列古墳群の西の端」という説には魅力を感じている。その訳は、
1 北北西直線距離2.5kmのところに添御縣坐神社があり、この辺りは添の縣の可能性がある。
2 佐紀盾列古墳群の一画にも添御縣坐神社がある。
3 佐紀盾列古墳群の古墳は大王クラスの古墳群である。
4 富雄丸山古墳は最大の円墳である。
5 主要である墳頂ではない造出しから出土した銅剣や銅鏡は類例のない立派なものである。
6 これらのことから、単なる有力首長(豪族)以上の人物が墳頂に埋葬されたと考えられる。



2025年12月3日水曜日

ニッポン辺境を思う

    「中央アジア紀行」
著者の白石あづささんがカザフスタンの首都アスタナに行ったときの話。アスタナは1997年に遷都した若い首都で、高層建築や世界中の名建築まである、まったくの未来都市らしい。
 この都市を設計したのが故黒川紀章氏で、その中にある、まるでリゾートホテルのような広大で立派な大学の初代学長は勝茂夫氏(元世銀副総裁)だという。
 そして著者が「意外だったのはこの街を設計したのも有名大学の学長も日本人、同じ国の人が活躍しているのは嬉しいですね」とカザフツーリズムの女性社員に言うとケタケタと笑われたという。
 彼女の言うのには、「私たちは普段173の民族とともに暮らしています」と、同胞である「日本人」の活躍に喜ぶ私の方がおもしろいらしい。
 では国ではなく民族がアイデンティティーなのかと聞くと、「そういう感覚は私たちにはないですね」と首を傾げた。
 他民族が好き勝手に移動したシルクロードの面目躍如と言ったところだろうか。
 そしてそれは世界の例外ではなく、どちらかというと、日本列島こそが「地球儀上」の例外つまりは「辺境」ではないかと大いに考えさせられた。
 「中央アジア紀行」という一冊の本や、白石あづさという一人の人間の感想を絶対のように語るのは正しくないだろうが、何かハッと考えさせられるレポートであった。近頃のネット上のヘイトスピーチを思って、なぜか恥ずかしくなった。

2025年12月2日火曜日

日中経済のリアリズム

    ネットの世界やテレビのワイドショーなどでは「中国に舐められるな」「中国は明日にでも攻めてくる」みたいな発言が目につくが、一方、テレビの普通のニュースを見ていると、イオンが中国内陸部
湖南省の省都長沙市に大型ショッピングモールを開業したことを報じていて、映像では、混乱などなく大勢の地元客が買い物や食事を楽しんでいた。
 共同通信によると、新店は「イオンモール長沙湘江新区」で、延べ床面積は236千平方メートル。「ユニクロ」や「無印良品」といった小売店に加えて、映画館やアミューズメント施設などを誘致し、一日楽しめるよう工夫した。長沙では夜間の消費活動が活発で、未明まで営業する一角も設けた。・・ということらしい。
 映像の限りでは、日本では珍しいほどの充実ぶりだった。
 もちろん日本と中国との経済関係では多くの競争・競合もあるが、このように切っても切れない隣国同士である・・・ということを直視することがリアリズムで、歴史の時間でいえば一時(いっとき)の格差を鼻にかけて、仲間内のウケを狙ってエラそうにふるまうのは小児病だと私は思う。
 自国を卑下する必要はないが、夜郎自大は見苦しい。

2025年12月1日月曜日

品種改良

    キュウリは「
黄瓜」が語源だという説もあるが普通には「胡瓜」とされている。
 古く中国ではシルクロードに関わることごとを「胡」と言ったので、胡とはペルシャだと言い切るのは正確ではない。
 事実、キュウリの故郷はインド北部からネパールのヒマラヤ地方らしい。
 そういえば暑さにもけっこう弱く、7月中に枯れさせたことも何回もある。それが今年は8月にもけっこう収穫できたのは苗がよかったのか、風通しに気をつけた農夫(私)がよかったのか?
 その8月下旬に「11月にも収穫できる」と書いてある苗があったので一つだけ植えてみたところ、写真のとおり11月30日現在も実ができている。まだ小さな実がいくつかできているが大きくなるかどうかはわからない。
 本には「13℃以下になると著しく生育不良となる」と書かれている。
 それにしても、露地でキュウリが12月に採れるとは思ってもいなかった。品種改良のおかげだろうか。