2025年12月25日木曜日

核保有論に欠けている現実

    元日刊ゲンダイの山田 勝仁氏のFBにナルホドと思う指摘があった。
 「日本も核保有すべし」というアドバルーンに熱狂する高市支持者たちに「核兵器を開発するには核実験が必要不可欠だがどこで核実験やるんだ!」という指摘・・・ナルホド

 地下核実験に必要とされる条件は・・
非常に厚く均質な岩盤
断層活動が極めて少ない
地震がほとんど起きない
地下水の流動が少ない
 しかし、日本列島は4つのプレートが衝突する世界有数の変動帯で、活断層が全国に分布し、火山帯が縦断し、地震活動が常時発生する地震国。
 核実験で生じた放射性物質封じ込めが地質学的に成立しない。
 致命的なのは地下水の問題。
 日本の地下水の特徴として・・
降水量が多い。
山地が多く、地下水が高速で移動する。
多くの地域で、生活用水、農業用水、工業用水が地下水に依存している。
 そのため、地下核実験で生じる核分裂生成物(トリチウム、セシウム、ストロンチウム等)が地下水に溶出する。
 日本では地下水が閉じた系ではなく、必ず河川・海へ流出する。一度汚染されると回収は不可能。
 つまり、核実験を行う一部の地域だけの問題ではないのだ。
 他国の地下核実験との決定的な違いは過去に地下核実験を行った国々は、
乾燥地帯
地下水が非常に深い、またはほぼ存在しない
人口密度が極端に低い
安定した古い大陸地殻
という条件を持っている。北朝鮮も大陸国。
 つまり、日本は地質学的に「核実験に最も不向きな国なのだ。
 特に地下水汚染は「地下核実験場」という局地的な問題ではなく、国家全体・海洋全体の問題になる。
 核実験をやったら日本では地下水を通じて米も野菜も放射能汚染されてしまう。
 科学的には日本には核実験場はまったく存在しえない。
 日本も「核保有」というのはバカも休み休み言えという話だ・・・と氏はいう。ナルホド

 大陸地殻の国なら核実験をやっても問題ないわけでもないが、的を射た指摘だと思う。
 地震でいえば、世界の大地震の地図を見れば、日本とチリが両横綱であることは一目瞭然。原発も含めて、自然科学の議論がもっと深められる方がよくないか。

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