台風10号が近づいている。この原稿を書いている段階の進路予想図ではわが家直撃となっている。2018年関空台風の再来かとも言われている。
その関空台風の折は、大阪湾の埋立人工島夢洲(ゆめしま)のコンテナターミナルに積んであったコンテナが多数吹き飛ばされ転がっている。
その夢洲では、今は多数の労働者が万博工事に携わっている。
問答無用の万博工事最優先で、労働者の人的被害(災害)が発生しないか心配する。
人命軽視が起こらないかどうか、みんな注目してほしい。
先日、伊藤孝著『日本列島はすごい』中公新書・を読んだことは少し触れたが、この本によると、日本列島は地球科学的には新しく、かつきわめて活発な変動帯に区分され、気象学的には大陸の東に分布するモンスーンかつ台風来襲域で、乗りこなすことが容易ではない「じゃじゃ馬」「暴れ馬」だという。
だから安全・防災という視点では、活火山、地震、台風は好ましいものではないが、これらは風光明媚な景観、肥沃な土地、豊富で美しい水、よりどりみどりの温泉、さらには浅熱水性金鉱床の生成と裏表の関係にあるのだと。
この列島の我われの祖先は、2万9000年前や7000年前の巨大噴火できわめて大きな被害を被ったが、その中でかろうじて生き残った者が命を繋げたのだというから、いつもいつも原発の話をするつもりはないが、現代人の多くは大きな勘違いをしているかもしれない。
例えば崖崩れや土砂災害という「じゃじゃ馬」であったが故に土壌が豊かという指摘は目から鱗であったが、そういう地球科学的な時間・空間スケールで考えれば、自然に対してもっと謙虚になり、積極的・戦略的に分散せよとの指摘にもハッとさせられた。
そんなことなどを頭の中で考えながら、とりあえずは命を守りたいなと台風10号の情報を注視している。月末が二百十日である。
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