2024年4月25日木曜日

日本語は異端児?

   奈良の中心街はインバウンドで賑わっているが、中国人と思われる観光客がラーメン店にたくさん並んでいることは珍しくない。
 過日はテレビの COOL JAPAN の「日本の焼肉」で、韓国の女性が「韓国の焼肉とは大変異なっている」と語ったのにも、鶴橋の焼肉を愛してきた身としては大いに驚いた。

 文化の基礎をなす文字は漢字で、それを百済から学んだ国が、換骨奪胎とまでは言わないけれど、(日本語の)語順は変えず、訓読を発展させ、漢字仮名交じり文を基本として日々暮らしている国の面目躍如といったところだろう。

 この複雑極まりない言語を操って暮らしてきた先人たちによって日本文化の骨格が形成されてきたと思うと、どこか誇らしく思えるが、テレビから流れてくるニュースは表層的だし、お笑いとスポーツが多数を占め、蘊蓄のある話よりも映える話、カワイイ女性が何かを食べて甘~いと言う。
 この国はどこへ向かっているのだろうかと心配になる。

 そんなことを考えながら、書架の奥から『訓読みのはなし』を引っ張り出してきて読み直した。
 実に読みごたえがあり、再発見があったが、日本語の評価は非常に難しい。
 先日妻が「いただきます。ごちそうさま。に該当するフレーズが諸外国にはないらしい」と教えてくれた。
 宗教感の違いもあるかもしれないが、やはり日本文化だ・・と感じている。

 ・・今日の原稿は書き始めた折りは、訓読みその他複雑極まりない母語を操る日本の深い文化や文芸・・と話を展開したいと思いながら書き進めたが、この国の現状に視点が移るにつれ、特に権力に媚びるようなジャーナリズムの筆力の弱さ、「台湾有事」に代表されるような嘘臭い風潮の蔓延、裏金問題があっても嵐のような批判が生まれない正義感の欠如等々を思うと、どこか気力が抜けていってしまったのだった。

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