2023年8月27日日曜日

遮水壁と固化処分を

   私は昔、いわゆる「嫌悪施設」の建設に関わる住民運動をしてきた経験があるが、その経験からいうと、今般の中国政府の「日本産水産物の輸入禁止措置」は、ことの内容以前に、日本政府の外交が成っていないと考える。

 「俺たちは正しいと考えている」だけで外交が済めばこれほど楽なことはない。
 このブログの読者の皆様は、いわゆる「嫌悪施設」と呼ばれるゴミ集積・焼却施設にしてもあるいは火葬場にしてもその必要性を否定はされないと思う。
 しかしながら、一世一代の借金をして終の棲家と建てたマイホームの隣に、ある日突然「その種の施設を建設します」と言われたら、誰だって「ちょっと待ってくれ」というのではないか。外交も同じ側面がある。

 それにしても、あの大災害のあったチェルノブイリでも起こっていない汚染水問題がなぜ起こっているのか。
 答えは、豊ともいえるモンスーン地帯の地下水、水脈があるからだ。ならば、先ず手を打つべきは地下水脈を止めることではないのか。
 そしてそれは、古く田中角栄以来の土木大国日本の力をもってすれば、ある意味簡単なことだろう。要はこの政府にはやる気がなく、アメリカに頼っておれば外交も必要ないという見識の故だろう。

 参考になる事項2点についてFBから転用すると・・・、 
 🔳 建屋内への地下水の流入を止めない限り、汚染水は発生し続けます。現在までに、凍土壁、地下水バイパス、建屋近傍の井戸(サブドレン)からの汲み上げなどの対策が取られ、一定の効果は得られているものの、地下水の流入は続いています。福島大学の柴崎直明教授らの研究グループは、現在の凍土壁のさらに外側に「広域遮水壁」を建設し、敷地内への地下水流入を止めるべきと提言しています。「広域遮水壁」は、コンクリートや粘土などを用いる、従来型の工法で、費用は凍土壁の半分くらい、工期は数年程度です。 さらに、「広域遮水壁」で囲まれるエリアに「集水井と水抜きボーリング」を設置することで、効果的に地下水位を下げることができることも提案されています。🔳

 それによって汚染水の拡大は防げても、今ある汚染水はどうするか。それについても次の参考論文がある。
 🔳 「モルタル固化処分案」は、アメリカのサバンナリバー核施設の汚染水処分でも用いられた手法で、汚染水をセメントと砂でモルタル化し、半地下の状態で保管するというものです。
 利点としては、安定的に保管でき、放射性物質の海洋流出リスクを遮断できます。こうした利点により、原子力市民委員会としては、大型タンク保管よりは、モルタル固化を推奨しています。しかし、東電・政府は、「水和熱が発生し、水が蒸発する」としていますが、これについても、提案を行った原子力市民委員会は「分割固化、水和熱抑制剤投入で容易に対応できる」としています。 こうした代替案が、公の場で提案者をまじえた形できちんと議論されたわけではありません。🔳

 政府は各種専門家の知恵を聞け! 外交努力をせよ!
 今日ほど自公政権、それを支持する維新や国民の政治が絶望的な時はないように思う。
 心ある市民と野党は統一して政治を変えよう!

 【出典】地球規模での環境問題に取り組む国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)のFB 【QAALPS処理汚染水、押さえておきたい14のポイント

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