近頃は花の名前も多くカタカナで書かれるもので、私などはまず最初に「ワレモコウという花がある」ことを知り、何年かして「実物の花そのもの」を知り、そして今般、恥ずかしながらその漢字が、いくらか別の字もあるにはあるが、基本的には「吾亦紅」であることを知った。
「十七音の短詩である俳句の解釈は往々にして読み手の解釈に任される」という言葉に甘えるならば、俳句ド凡人の私などは「我もまた紅なり」というその名前の文字が我が琴線に大いに触れるところがある。
そこでいくつかの俳句を拾ってみた。
しゃんとして千草の中や吾亦紅 八十村路通
真実を吾が信条と吾亦紅 高橋照子
くれなゐの系譜のはての吾亦紅 藤村真理
密やかに輝くことも吾亦紅 早崎泰江
枯れつつもそれとしるしや吾亦紅 松本たかし
可憐な野草の句として観賞するのが王道なのかもしれないが、「我もまた紅なり」という文字から観賞したもの。
(写真は検索したところHORTI-Green Snapさんの美しい写真があったので転載させていただいた)
読者の皆さん、「しゃんとして千草の中や吾亦紅」、ちょっと良くありませんか。
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