2023年1月12日木曜日

「自分の国は自分で守る」の嘘

   「自分の国は自分で守る」と、政権与党や維新などが軍事費倍増方針の根拠づけのために言い出した。
 ウクライナのニュースを見ていると一見リアルで説得力があるようにも見える。

 そこで、さらにリアルに問題を整理してみよう。
 第一に、日本列島にズラーと原発を並べておいて、戦闘力で国を守ると叫ぶのはドン・キホーテよりも愚かでないか。
 戦争を想定して国を守るというなら、戦争に一番弱い原発を全廃する方がイの一番であることは明らかだ。それこそウクライナの現実を見よ。
 そして食糧自給率とエネルギー自給率を安心水準まで高めておくことが絶対に必要だが、「国を守る」と叫んでいる人々は正反対のことをしている。彼らこそ「お花畑」と言うべきでないか。

 第二に、「自分の国は」などと勇ましくおっしゃるなら、少なくとも在日米軍基地から他国への出撃は一切するなと米国に約束させなければならない。
 これこそリアル中のリアルな課題だ。
 在日米軍基地からミサイルを発射したり爆撃機を発進すれば、「敵」は当然「敵基地たる日本領土の基地」に反撃するだろう。「敵基地攻撃能力論」はそれを当然の前提としているのだから。

 そこでリアルに考えると、日本にとって一番危険な現実的想定は、「日本は弱そうだから侵略しよう」という国が出てくる話ではなく、アメリカの仕出かした戦争のために在日米軍基地周辺に戦火が生じることだということは誰でも解ることではないか。

 リアルついでに言えば、中国国内のコロナ禍のために日本の自動車が製造できない、電化製品が製造できないというグローバル社会で、それこそ戦争被爆国日本こそが、「軍事同盟を止めて平和共存の外交」をとイニシアティブを発揮すべき時だろう。
 「自分の国は自分で守る」と意図的に叫んでいる人たちは、ウクライナのニュースに思考停止したか、これ幸いと軍事関係利権に群がろうとする人々でないか。
 そしてそういう者こそ普通には「売国奴」と呼ぶのではなかったか。

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