2021年8月2日月曜日

複雑な問題は単純ではない

   先日ミニコミ紙で清水ただし議員にインタビューを実施し記事を掲載した。その中で「大阪での維新について」次のように語ってもらった。

 ■ (維新が一定支持されていることについて)主要には、これまでの政治に対する不満を、言葉巧みにに期待を抱かせ幻想を抱かせてきたもので、ヨシモトや在阪メディアの露出のお陰でしょう。同時に、子育て世代への実利もすすめていることも事実です。一方で、公務員や高齢者等を「敵」に祭り上げて攻撃する分断の戦略が一定程度功を奏しています。■

 この「子育て世代への実利もすすめてきた」という文言について、よく似た文脈でSNS上で、「トータルでは子育て等の政策は後退しており、そんな風に語ることは維新への幻想を広める」「評価が甘い」的な清水さんへの批判が見られた。

 そんなこともあり「編集後記」では、状況をリアルに直視し、■ これまで維新が何をしてきたのかを具体的事実をもって丁寧に説明することで「引きはがせる支持」だ。・・・反対の押し付けではなく、提案型の『ご一緒に考えましょう』と丁寧に対話することで「引きはがせる支持」だ■ と清水さんの発言を補足した。

 言いたいことは、トータルとしての維新の嘘や横暴に辟易していても、実際に投票した人に紋切型に「維新はあかん」と言っても「引きはがせない」わけで、リアルな現実と人々の感情に耳を傾けて、語り続けることの重要性を再認識しようと私は聞いた。

 一昨日にこのブログで益川敏英さんの『必要な原子力研究の継続』を紹介したが、よく似た問題提起でもある。複雑な問題をそのままリアルに検討することなく、問答無用と一刀両断に斬り捨てるほど『確信的で正しい』かのような弱点、語る側の自省と私は読んだ。複雑な問題は複雑なまま検討し、やたらに単純化することはよくない事もある。

 ミニコミ紙も私のブログも、わが能力が及ばず明瞭ではなかったかもしれないが、どうかそのような行間を読み取ってほしい。

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