2019年11月8日金曜日

コリオリの力

 10月16日に『台風が左回りの渦である理由を小学生の孫にどう説明するか』について試論のようなものを書いてみたが、もう一つ自信がなかったので書店で気象の本を何冊も立ち読みした。
 意外なことに、私の問いにスパッと答えてくれる本はなかなか見当たらず、「それはコリオリの力だ」的な不親切なものが多く歯がゆかった。私の勉強不足のせいは棚に上げておいて・・。

 そんなとき、BSの放送大学の『気象』で「地球の自転の影響」というのがあったので録画をしておいて聴講した。
 その骨子は、私の知りたいテーマとは少しすれ違ってはいたが相当参考になった。
 それは、ネットで見つけた『受験のミカタ』の『コリオリの力』とよく似ていたので、後者の図や文章などを大いに参考にしながら自分なりにまとめてみたい。『コリオリの力』などという用語を使わないで書きたかったが仕方がない。

図1
   そもそも『コリオリの力』とは地球の自転によって起こる”見かけの力”で慣性力の一種だと言われている。
 放送では、筑波にある大きなメリーゴーランドのような円盤上でそれを視覚化してくれて大いに理解が進んだ。
 メリーゴーランドは地球の自転と同じ反時計回り(左巻き)で回転していて、仮にAさんが高気圧、Bさんが低気圧としてイメージしながら、AさんがBさんにボールを投げる(風が吹き出す)(図1)。(幼児に向けて投げるように下手からふわりと投げていた)
 すると、投げたボールはメリーゴーランドの外でBさんの後ろにいたCさんのところには届くが、そもそも届けようとしたBさんは既に回転(移動)しているから左手を伸ばさないと捕れない。

図2
   放送ではAさんの後ろにテレビカメラをおいて一緒に回転しながら常にBさんを正面に撮影したが、確かにボールは右へ曲がっていった(ように見えた)(図2)。ここが放送の一番の見せ所だった。
 つまり(北半球のように)反時計回りの盤上で運動するものは、運動の方向に対して各地点地点で右向き右向きの力が加わる(ように見える)・・これをコリオリの力と呼ぶ。

 地球上では我われ皆がメリーゴーランド上に乗っているのと同じであるから、図2と同じようなことが起こっているが、狭い範囲ではほとんど問題にならないから普通にキャッチボールはできている。
 しかし南北に1㎞以上離れた小さな標的に向けて大砲を打つ場合には確実にズレるから左に補正しなければならないといわれている。

図3
   「なんでメリーゴーランドやねん」という疑問があるが、北極点の上空から北半球を見ていると考えればわかりやすい。
 地球は球体であるから、細かな違いはいろいろあるが、原理的には同じである。
 メリーゴーランドの図や実験はまるで赤道近くから北極点を超えて裏側の赤道近くまでキャッチボールをするみたいだが、原理的には緯度の違う南北間のことと考えてよい。
 南半球でこの向きが反対になるのは、緯度による自転速度のスピードが北半球とは反対に刻まれるからだが、ここの詳細は省く。


図4
   そこで台風だが、台風は外縁部から中心へ空気が運動して風が吹き込むが、この風に対して『コリオリの力』が働くので、北半球では右向きにズレて反時計回り(左巻き)に渦を巻く。

 これを感覚的に実感したいと思えば、マラソンでも自転車でも自動車でも急に右左折しようと思えば膨らんでしまうという、慣性や遠心力に逆らって右左折するときのあの膨らむ感覚に似たものと言えばどうだろうか。風はギギギッと右に引っ張られながらももっともっと大きな台風の目の吸い込まれる力で膨らみながら吸い込まれるのだろう。
 
 もう少しきっちり書きたかったが、放送大学の録画をすぐに消してしまったのでまずはここまで。
 前の記事の方が解りやすくはなかったかとひとり呟いているが、はてな。

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