2019年7月27日土曜日

空蝉

   小学生の孫の夏ちゃんが夏休みだというのでやってきた。
 祖父ちゃんが、セミを採りに行こうか、キリギリスを採りに行こうかと誘っても暑いから嫌だと言い、叔母さんの書棚の「ちびまるこちゃん」全集の読破に挑戦するだけだ。
 外には綺麗なクマゼミやアブラゼミが飛び回っているのにと祖父ちゃんは一人惜しがっている。
 2階に上がるとタマムシも群舞しているが、これも祖父ちゃんのスマホの写真で「もういい」らしい。

   夏休みの宿題は?と聞くと自由研究で漫画を描くといって、せっせと漫画を描いていた。
 漫画というと京アニの不幸な大事件があって気が重いが、朝ドラの「なつぞら」が快調だ。 
 最初は例によって女性が主人公のある種いつもの立身出世物語かと思っていたが、だんだん戦後も進んできて、私よりは少し上の世代だが理解のできる同時代になり、新劇のいろんな分裂や東映動画、そしてジブリ誕生に行きつくかのような展開に、その小さな台詞の端々に「そうそう」と共鳴して楽しく観ている。

 さて、わが家の庭の木々にもセミの抜け殻がたくさんついている。
 この土地の住人として自然界から承認を得た気分がする。
 空蝉(うつせみ)という言葉だが、本来は「この世」「現世」のことらしいが、それが仏教思想で「むなしい抜け殻」のように変化したようだ。
 しかし「この世はむなしい」と達観するのは冷笑主義(シニシズム)に通じて、諸悪に対して見て見ぬふりをする立場に立つと思う。
 個人的には花鳥風月や古代の歴史などに没頭したいが、そこに逃げてはいけないと自分自身に言い聞かせている。

3 件のコメント:

  1.  漫画を描くうえで必要な?スクリーントーンが欲しいというが、昔、大阪機関紙協会で買った記憶があるが遠い昔のことだ。ネットで調べても近辺で販売している店は見つからない。で、近鉄上本町の画材売場にあるようなので早速何枚か買いに出かけた。甘ったるい爺バカだ。

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  2.  今や機関紙協会も「パーソナル編集長」の時代ですから。確か東急ハンズで売っていたような気がします。

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  3.  東急ハンズもわが家周辺の店にはないようです。よい情報があれば皆さん教えてください。

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