2019年7月12日金曜日

公務労働者 うつむかないで

 選挙になると「身を切る改革」などという扇情的なスローガンを叫ぶ政党や候補者がいる。
 その中身は何だと問うと「公務員を減らす」「人件費を減らすのだ」という。
 しかし労働基準監督も、職業紹介も、労災給付の審査決定も、みんな公務員が担っている。
 気象台も、法務局も国家公務員が担っているし、圧倒的な教員も、生活保護や児童相談所なども地方公務員が担っている。

 「スマンで済んだら警察はいらん」という漫才があるが、「法律さえあれば皆んな救われる」と言うのは寝言になる。
 千差万別のケースを法律の主旨で解き明かして判断し執行しているのが公務員である。
 そういうセーフティーネットがしっかりと確保されていてこそ国も地方も発展するのだ。

 「日本すごい」というようなテレビ番組で日本社会の安全性が喧伝されるが、それは単なる警察力だけでなく、日本の公務全般がそれなりに安定的に機能している表れだ。
 公務労働者は、公務の仕事に自信をもって「公務に人と予算を」と声を上げようと私は言いたい。

 安倍内閣は2020年度から5年間でさらに30927人の国家公務員を削減する計画を6月末に決定した(厚労省では△3394人)。総額人件費10%削減計画も引き続く。
 これでは職員の健康も国民の生活も底が抜ける。(もう相当抜けつつあるが)

   「身を切る改革」で言えば、一番声高な維新の議員の皆さんは、政党交付金や文書交通費などのお金を自身の後援会等に寄付し、つまり領収証の上も下も事実上同じ名前でマネーロンダリングを図っている。(写真は一例で、こんな領収証がいくつもある。東議員が政党支部(代表印は東)に寄付した領収証である)

 「領収証をもらって寄付をしたから資金は透明だ」というのは詐欺というよりも犯罪に近い。
 こんな詐欺師まがいの言う「身を切る改革」などに惑わされてはならない。
 正しい答えは「小さな政府は高くつく」である。
 とまれ、政党交付金は平成31年分だけで共産党以外の政党は計317億7300万円受け取っている。これを毎年受け取っていて何が身を切る改革だ。共産党は受領を拒否している。

 おまけを言えば、「身を切る改革」論で公務職場の非正規不安定労働者化が無茶苦茶に進んでいる。
 職業の安定や労働基準の向上を担う労働行政の現場職員が不安定非正規雇用で悩んでいたのでは、すべての労働者の労働条件が向上しない。
 八重の桜で有名になった会津藩の「什の掟」ではないが、ならぬことはならぬのです。

 偽善的なスローガンを語らず、必要な公務の充実を訴える共産党が一番正直だと私は思う。
 共産党は「国家公務員の定員合理化計画を廃止し、非常勤職員の正職員化を含め、国民生活の安全・安心のために必要な人員を確保することは急務」と堂々と主張している。

 正直な政治を望む人々にお願いしたい。参議院選挙「比例票」は「共産党」と書いてほしい。
 大阪選挙区は激戦だ。たつみコータローの支持を広げてほしい。

3 件のコメント:

  1. 「身を切る改革」では国民生活の底が抜けます。公務も公務員労働者も必要なものは必要です。単純に公務は無駄だとか公務は庶民を苦しませる悪代官的な理解は正しくありません。・・・と、フェースブックに書きました。

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  2.  維新の皆さんは、文書交通費で海外旅行に行かれてます。
     自分から自分に寄付をすれば、所得税も税額控除です。

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  3.  公務の人件費はつづまるところ公租であり公課を使うわけですから、単純に公務員は多ければ多いほど良いとは言いません。
     しかし、必要な部門には必要なのは当たり前です。
     「仏作って魂入れず」という言葉がありますが、自公政権は例えば働き方改革をするんだとマスコミを通じて宣伝しますが、その担い手である労働局、労働基準監督署の職員は減らし続けるわけです。本当にこんなことでいいのでしょうか。
     ちなみに国と地方を合わせた公務員数は人口千人当たり、フランス89.5人、アメリカ64.1人、というレベルに比べ、日本は36.7人です。

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