秋にあった東大寺福祉事業団のチャリティーバザーで、瑞氣集門と書かれた上司永照師の「書」を購入した。
一生に一度のことだからと妻に頼み込んで購入の許可を受けた。というほどソコソコの金額のものだった。
「情けは人の為ならず」だからと妻も了承してくれた。
通常は額縁で装幀するらしい形だが掛軸にしてもらった。
こういう風に掛軸を注文したのは人生初のことだった。
その掛軸に装幀されたものがようやく届いた。
ところが、バザーのときには書の中心しか見ていなかったが、いざ届いてみると、かろうじて読める東大寺という文字の上の四文字が達筆過ぎて読めない。
そこで浅学が恥ずかしいが東大寺に問い合わせたところ、「圓宗雑華・東大寺」であることがわかった。そこまでに2日間を要したが。
そこで解ったことは次のとおりである。
華厳宗(けごんしゅう)の華厳とは「美しく飾る」を意味する。
すなわち雑華巌飾を言う。
華厳とは「雑華をもって仏を荘厳する」ことを言い、雑華とは花総てを意味する、また「華は花と菩薩の実践(行動)を言い厳は飾る」とも言う。
華厳経も元来は『雑華経』すなわち「様々な華で飾られた・荘厳された教え」とも呼ばれていた。
さらに圓宗とは、華厳宗や天台宗の宗旨。また、華厳宗や天台宗の別称というのも知った。
よって「圓宗雑華」は華厳宗の別称であり、「華厳宗東大寺の上司永照」との署名であるらしい。
次に書のテーマである「瑞氣集門」だが、これは「めでたいことが起る兆しの氣が、すでにあなたの玄関先に集まっている」「めでたい氣が、あなたの家に集まってくるように」といった意味。これは文字から受けた直感どおりで満足している。
集門といっても瑞氣を内に招き入れるかどうかは私の心がけだろう。
論としては親鸞の他力本願に頭を垂れている私だが、素直に心がけを信じたい。
年の暮れに素晴らしい掛軸を手に入れた。
少し清々しい気持ちでお正月を迎えられそうな気がしている。
新しい軸で迎えるお正月
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